第32話 ぶつかり合う二人の心
こうして庭園を目指す二人。
「――おい、待てよ二人共‼」
「「んっ……?」」
背後から呼びかける
「おっ、おい! 聞こえてんだろ!」
「――くぅぅぅ、この野郎‼ お前のことだよ、
(はぁ……知ってるよ。――ったくぅ、お前に構ってる暇なんてないんだけど……)
名前を呼ばれた以上は、返答をしなくてはならない。従って、
「――さっきから、なに無視してんだ!」
「これはこれは、
二人の前に辿り着くや否や、荒々しい態度で言葉を放つ
「――ちっ、まぁいい。それよりも、院生達の前でよくも恥をかかせてくれたな!」
「はて、私がですか? そのような文字、
いつものように、おどけて見せる
「――こっ、この野郎おおおお‼ 毎回毎回、俺のことを馬鹿にしやがって! いい度胸だ
「おや、おかしな事をいう
これを受け、我慢の限界に達する
「ぐぬぅぅぅぅぅ――‼」
「んっ、どうしましたか?」
度重なる屈辱に唇を噛みしめる
「――おらっぁぁぁ‼」
突如として殴りかかる
まだ拳であるなら子供の戯事として騒動を収めることが出来る。けれども、この状況には
「おっと――! 突然どうしましたか、
「――おらっぁぁぁ‼ ――おらっぁぁぁ‼」
「なるほど、聞く耳を持たず。どうやら心の修練が足りていないようですね。いや……頭の方でしたかな?」
さらに挑発を続け、
「るっ、
「大丈夫だよ
不安な面持ちで呼びかけ、動静を気遣う
けれど、不安は拭えない。何故なら、好戦的ではないにしても、血気盛んな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます