第31話 隠された地下の秘密
こうして備忘録を手にした
「それよりも、この事を
「多分、知らないと思う……」
このように重大な発見に驚きを見せる
「だったら、知らせないと駄目じゃん!」
「――ちょ、ちょっと待ってよ
「そうだけど、でも……まずいんじゃないのか?」
「お願いだよ、
これらのことから、一般の者に知らされているのは、天に譬えられた理想郷。そして、未だ存在は不明とされている冥府のような地底。こう呼ばれた大陸が存在することだけ。成立ちは分らぬも、その大地はそれぞれが重要な役割を果たしているという。飛び交う噂によると、どちらか一つを失えば、理想郷の大地も危ぶまれるらしい。
人は食物がなければ生きてはいけない。同様に食物も水や光なしでは存続は不可能だろう。それと同じで、二つの大地も不離一体の関係といえる。こうした理由から、どうしても理想郷の謎を解き明かしたい
「良くはないが……俺はあの時、
「隠し事じゃないよ! 何か重大な事が分かれば、すぐに知らせて必ず報告する。それならいいでしょ!」
以前、説教部屋にて酷く叱られた
「まぁ、
「――ほんとに?」
仕方なく1つの決断を下す
「あぁ、今まで何の感情も見せなかった
「ありがとう
「何か……とは?」
「それは上手く説明できないけど、雰囲気というか? 棚の位置が変というか?」
洞窟の中で読書をしている最中、違和感を感じていた
「雰囲気や棚の位置? 一体、なんだそりゃぁ⁉」
「それは僕にも分からないんだけどね。とにかく、何か分かったら必ず教えるようにするよ」
「そっかぁ、分らないんじゃ仕方ないな。だからといって、無理は禁物だぞ。それだけは約束してくれ」
「分かった。無理はしないって、約束するよ」
「まぁ、何はともあれ、俺も今日は忙しくなりそうだ」
「――えっ?
溜息混じりに呟く
「あっ、いや。えっと……そうでもなかったかな? あはは……はは」
「んっ、どうしたの?」
何かまずいことでもあるのだろう。慌てた素振りを見せる
「いや、本当に何でもないから。それより立ち話もなんだからさ、庭園まで歩きながら話そうか」
「うん、いいけど……」
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