第14話 法具師の宝珠
「
「すみません、先生。大事な教典をまき散らしてしまって」
「いいのよ、その書は複製品だから。それに本物の教典なら、
院生に手渡されていた書物は複製品。位を得た後に、初めて本来の教典を受け取ることが出来る。とはいえ、中へ書かれている真言は本物。ゆえに、貸し出しは行っておらず講義ごとに回収をしていた。同じく宝珠も模造には違いないが、こちらは院生用に法具師が丹精込めて作った代物。
加えていうなれば、教典と違い壊れやすく製作にかなりの時間を要する。そのため、講義用だけに作られた
では、本来の宝珠とは
それならば、どのような素材なのかと聞けば、気味が悪いと思うかも知れない。何故なら、
この行為は違法ではあるものの、悲しいことに減るどころか増える一方。年々、増加する者達で後を絶たない。というのも、新鮮な身体から取り出した眼球は膨大な魔力が宿る。よって、裏で高値の取引がされていた
けれど、見つかればそれなりの処置が与えられ厳しく罰せられる。そんな法力を使用する上で必要不可欠な宝珠。熟練者であれば、法具なしでも元素を顕現することが可能であるという。
こうして全ての院生へ教典が行きわたるのを確認すると、いつものように淡々とした口調で授業を始めていく。このように、
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