第8話 五感に触れる安らぎの場所
生い立ちや出会った経緯などを語り合う二人。話に花が咲き、いつの間にか
「はぁー、まさか教典を
「お帰りなさい。いい勉強になったでしょ」
放心状態の顔つきで、溜息混じりに呟く
「勉強というよりも、あれは拷問だね。それよりも、どうしたの二人して?」
「
「
「そうよ、こっちは
「…………」
「どうしたの
せっかく
「いや、別に
「じゃあ、なんで黙ってたの?」
「それは……紹介されなくても同じ
「なるほどね、だから先生が呼んでいても、知らない振りをしていたのね」
今までに
「ごめん、ばれちゃうと
「
喜ぶ顔が見たかった。その想いから、ずっと黙っていたという
「だったら、こうしましょう。せっかくだから、謝罪と一緒に自己紹介というのはどうかしら」
「そ、そうだね」
「「あっ、あのさぁー」」
「ふふっ、どうしたの二人共?」
「酷いよ、
よほど、その光景が可笑しかったのだろう。
「ごめんね、
お腹を抱える
「だってさ、
「僕の方こそ、はっきり言えばよかったです。そうすれば、
申し訳なさそうな表情を浮かべる二人。同じことを想い同様に反省する。
「ふふっ、おかしな二人。それにしても、
俯いた顔を上げ、互いを見つめ合う二人。改めて心の想いを伝えた。
「ごめんな、
「こちらこそ、すみません」
二人はお互いを認め合い力強く握手をする。やがて、今までの事がなかったかのように仲良く笑いあった。そんな些細なことがキッカケで友達となる三人。
こうして二人と過ごしていく内、固かった
✿.。.:*:.。.ꕤ.。.:*:.。.✿【場面転換】✿.。.:*:.。.ꕤ.。.:*:.。.✿
そんな三人達が学びを受ける場所とは……。
そこは
しかし、一概に過酷な修練場所ともいえないだろう。何故なら、周辺には庭園などの心安らぐ憩いの場もあり、緑豊かな草花や樹々が【五感】を楽しませてくれる。それは、聖職者から聖樹と呼ばれる存在である。
違いがあるとするならば、【
更に、聖樹には花の魅了からか、可愛らしい小鳥達が無数に集まり、疲れた羽をゆっくりと休める。その際に、【
これだけでも心を解放され、安らぎを与えてくれそうなものだが。もう一つだけ、幸せな気分にさせくれる要素が残されていた。それは樹々に宿る甘くて柔らかな実。一口食せば、【
どうやら、その樹木には不思議な力があるらしい。これが聖樹と呼ばれる本当の
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