第4話 心に響き渡る言葉
「なるほど、そう言う理由だったのか。だったら尚更、
「そんなことはないわ。私一人じゃなく、
では、どうして位を得た
こうした事は苦労ばかりではなく利点もある。何故なら、
「――本当か? それなら良かったよ。
「そうだったのね、気にしてくれてありがとう。私も同じ気持ちよ。嫌なことが遭ったとしても、
「そっ、そうか。じゃあ、なにもない時はなるべく
「ふふっ、ありがとね。でも、無理はしなくていいのよ。寄れる時だけでいいからね」
自分のことを必要としてくれる想い。こうした一生懸命に取り組む姿が何よりも嬉しく、
「それにしても、なぜそこまでして上を目指すんだ。急がなくても、今のままで十分じゃないのか?」
「上かぁ……。それはね、身寄りのない私をここまで大きく育ててくれた人がいるの。その方と同じようにね、この世界を安寧に導いて行きたいと願うからかな」
「えっ、
「そうよ。今があるのは、こんな私に手を差し伸べてくれた恩師のお陰。数年前までは、引退しても
「そうか……色々と大変だったんだな」
「ええ、でも私は諦めないわ。恩師が目指した安寧の世を築き上げるまではね。そしていつの日か、全ての
遠くの空を見つめ語り掛ける
「それなら俺が代わりになってやるぞ! そうすれば、
「ふふっ、
「あぁー、またそうやって馬鹿にして笑う」
「馬鹿にしてないわ、気のせいよ…………」
「やっぱり、笑い泣きしてるじゃん」
「だから、気のせいだって」
このようなやり取りの中、暫く和やかに笑い合っていた二人。すると――、遠くの方から指導者の呼ぶ声が聞こえてきた。
「――
周辺へ
「
「いーの、いーの。大丈夫だから」
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