第10話 ”期待”がなければ読者は着いて来ない
結局、最初に見せ場を作れとか、偉ぶってよく言われている事の殆どがこれだ。
上記の例だって、”こういう楽しいシーンが、この作品には沢山ありますよ”って期待させて、それで読者を繋ぎとめる。たったこれだけのメカニズム。
XX系とか流行の作品に読者が群がるのだって、あの作品と同じような”楽しさが期待できる”と思って、読者はその期待にすがっているに過ぎない。
理屈が分かってしまえば大した事のない話だ。
序盤でキャラクターの人気が出れば、そのキャラクターそのものに期待して読者が着いてくるからある程度作者の好きに話が作れるとか、次の話が気になるような話の区切り方にするとか、続きが気になるように伏線を貼るとかいろいろあるが、全部同じ理屈だ。
今回はあえて短くまとめてみた。こんな単純な大した事のない話が作品の人気に直結しており、しかもそれを教える者が殆どいないという、それを考えたらなんかバカバカしくなってしまったのだ。
もしかすると、これを理解できている人が殆どいなかっただけなのかもしれないが、どうだろうな? 誰だって趣味に使える時間が限られている以上、その時間の中で最も楽しさを”期待できる娯楽作品”を選択するのが、自明の理であるというのに。
ライトノベル奮闘記~望まれる物と、書きたい物の狭間で~ 蝉の弟子 @tekitokun
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