第40話(閑話)白猫の初恋④
チリン
極彩色の世界アル。なんて、綺麗な世界アルカ。身が
「アネマラあああああああああああああああ」
ケイの声がするアル。でも何だかどうでもいいアルヨ。私は今幸せな気持ちアル。ここが本当の私の居場所かもしれないアルヨ。
「うぐ」
また、ケイの声がしたアル。苦しそうアルネ。ケイもこっちに来るアルヨ。こっちは幸せアル。
チリン
「うぐ。アネマラ……」
……ケイ。今の私がやったアルカ? 私の拳も何だか痛いアル。私は嫌アルヨ。何でアルカ? 考えるアル。私頭良くないからわからないアルヨ。ケイに頼りたいアル。
本当に、ここが私の居場所アルカ?
ここは色彩豊かアルガ、私一人ぼっちアル。また前の五百年と一緒アル。私の居場所はケイのそばアル。
それなのに私はケイに酷い事をしているアル。私はケイと一緒に生きるって、さっき約束したばかりアルヨ。なのに、私は最低アル。
チリン
ケイは私の悲しい涙を流させないと言ってくれたアル。でも、涙が出て来るアルヨ。ケイ、ごめんアル。私はもっと強くなりたいアル。
チリン
でも体がいう事を全く聞かないアル。ケイに酷い事をしているアルヨ。それに、ハシタナイ事をした記憶もあるアル。私は淫らな女アルネ。
チリン
体が痺れるても動けてしまうアル。辛いアル。でもケイはもっと辛いアルヨ。私は酷い女アル。
でも、気づいたことがあるアル。やっぱり私は賢かったアルヨ。鈴の音のせいアルネ。誰が私に酷い事をさせるアルカ? もうケイに酷い事をさせないで欲しいアル。
チリン
もう嫌アル。なんでそんなことさせるアルカ? ただ、私も馬鹿じゃないアル。髭のおっさんアルネ。なんて酷いことをさせるアルカ。
チリン
「『
私とケイの間を引き裂くことはできないアル。体は言う事を聞かないアルガ。知らないアルカ? 私は強いアル。ケイのおかげで心が強くなったアルヨ。一回ぐらいはどうにかなるアル。
チリン
ヤるのはおっさんアル! ケイ、あとは頼んだアルヨ……
◇
眩しいアル。ンデラのホテルより豪華絢爛な場所アルネ。天国アルカ? 天国なら良かったアル。ケイが来るはこっちアルヨ。
いや、待つアル。ケイは不老不死アルヨ。ケイが今ここに居ないってことは、ケイはこっちに来れないアル。例え天国でも私の居場所はここじゃないアルヨ。私の居場所はケイのそばアル。
ガバ
「ケイ! どこアルカ?」
「起きたのか? ヤツなら今別室で休んでおる」
何アルカ? 天国には甲冑のおっさんがいるアルカ? なんか嫌アル。
「ケイいいいいいいいい!」
「おいこら。待て! 勝手に出て行こうとするな」
ケイの匂いを辿るアルヨ。ケイはいっつも変な匂いをさせているアル。正直臭いアルガ、そんなの関係ないアルヨ。私はケイの所に行くアル。
「おいこら。暴れるな。しばらく大人しく捕まっておけ。待てって! ま、待ってくださーい」
甲冑のおっさんに後ろから捕まれて、不快だったアル。やっぱり抱き付かれるならケイがいいアルヨ。まだケイから抱き付かれたことないアルガ。今度お願いしてみるアル。ハシタナイ女と思われないか心配アルヨ。
あの部屋からケイの匂いがするアルネ。あの独特な葉っぱの臭い間違いないアル。
バタ
「アネマラ?」
大好きなケイの顔アル。またちゃんと会えたアルヨ。私、ケイにいっぱい酷い事をしたアル。でも、無事だったアルヨ。本当に良かったアル。
「ケイいいいいいい! 無事で良かったアルうううううううううううう!」
ケイの顔を見たら安心して涙がいっぱい出たアル。鼻水もいっぱい出たアル。汚い女アルヨ。それにハシタナイ女アル。でも今はそんな事、どうでもいいアルヨ。ケイのそばに行くアルネ。私の居場所はそこにあるアル。
「ところで、ケイは私を娶り、王になる気はないか?」
だ、誰アルカ? とても凛々しい表情アル。胸も大きいアル。そして、驚く程の美人アル!? え? こんなすごい人がケイに惚れているアルカ? 無理アル。私が勝てるところは一個もないアルヨ。しかも、王冠って王様アルカ? 負けたアル。完敗アルヨ。
え? どうするアル? ケイは絶対こっちを選ぶに決まっているアルヨ。迷うまでもないアル。目の前の宝石を捨てて、石ころを拾う馬鹿はいないアルヨ。
あの時の予感が当たったアル。しかも、お姫様どころか、女王様だったアルヨ。ペットとしてなら置いてくれるアルカ? 駄目アル。こんなところで涙と鼻水まみれの汚い野良猫を飼ってくれるわけがないアルヨ。お、終わったアル。
「僕はこの隣にいるアネマラと一緒に生きて行くと約束しました。彼女を裏切ることはできません」
ほ、ほんとアルカ? 相手はこんな綺麗な人アルヨ。胸も大きいアル。それに女王アルヨ?
どうやら、ケイは宝石じゃなくて石ころを選ぶ馬鹿だったアル。でも、ケイを少しでも疑った私の方がもっと馬鹿だったアルネ。ケイは約束してくれたアルヨ。こんな私と一緒に生きようって言ってくれたアル。
「ケイいいいいい。ありがとうアルううううううううう」
困ったアル。涙と鼻水が止まらないアルネ。こんな綺麗な人の目の前で、こんな汚い女アルヨ。でも、いいアル。あとでいっぱい謝るアルヨ。だから、今はこうしてケイに抱き付いていたいアル。
◇
パパパーン、パパパーン、パーパパパーパパーン
王宮の結婚式とは、何とも騒がしい物アル。そそっかしい私には厳かなのより、良かったかもしれないアルネ。
「それでは誓いの口付けを」
ゴールディア王国では魔力そのものが神アル。だから、私とケイは誓う神がいないアルヨ。そんな私とケイのために、あの綺麗な女王が結婚式を挙げてくれることになったアル。『大魔導士』同士の結婚式として国全体で挙げることになったアルヨ。誓う神がいないから、教会ではなく王宮で行うアル。
誓うも何も、私とケイはとっくに約束の口付けをしたアルヨ。ケイとの約束は神よりも重たい意味を持つアル。だから、誓う必要はないアルネ。しかも、ここは私が嫌いな人間の前アル。
「アネマラ、僕はずっと一緒に生きて行くことを誓うよ。この国民全員の前でね」
「私もケイとずっと一緒に居る事を誓うアルヨ。この大勢の人間の前でアル」
私は今も人間が大嫌いアル。でも、私とケイを祝福してくれる人は別アルネ。だから、この四度目の口付けは、誓いアル。
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