【番外編2】ミミィが何か汚い(途中まで掲載)
ある休日の昼下がり。私は遅めの朝食をとり食後の煙草を蒸していた。特に携帯をいじりたい気分でもテレビを見たい気分でもなかったため、少し開けた窓から入ってくる穏やかな風を受けてひらひらと揺れるカーテンをぼうっと眺めていた。
何も考えずぼんやりと煙草を吸える時間はなんて幸せなことか。私はあまりにも細やかな幸せを噛み締める。
翻るカーテンを眺めるのにも飽き、視線を部屋の中に向けてみる。まじまじと部屋の中に目線をやることってそういえばないよなぁと思いながらぼんやりを宙を見ていた。そこであることにふと気づく。
…この家の壁紙かなり黄ばんでないか?確実に入居した時より汚くなっている。部屋の中で遠慮なく煙草を蒸しているのだ。当然といえば当然なのだが今更気づいたことに何故かショックを受けていた。
私も時代の流れに乗って電子タバコに移行するべきか。でも私、電子タバコの匂い苦手なんだよな…。まぁ時代の流れに乗るなら禁煙すべきか。というか、この家の敷金帰ってこないだろうな。じゃあもうどれだけ吸っても変わらないか。と思い始めたあたりでちょうど吸い終わったので2本目に火をつける。いつ呼び出されるかわからないのだ。吸える時に吸っておきたい。
2本目を吸いながらなんとなくミミィの方に目をやる。そしてふとまたある事に気づく。
ミミィも結構黄ばんでないか…?
煙草を吸い始めて早1年半。徐々に変わる細かな変化な為気が付かなかった。私が煙草を吸い始める前に比べて明らかに黄ばんでいる。
ミミィは元々白いふわふわのウサギのようなぬいぐるみだったはずだ。それがいつの間にか黄ばんだ小汚いうさぎになっている。サクラやレナちゃんたちの前に姿を見せた時、こいつのパートナーやたら黄ばんでいるななどと思われていたかもしれない。恥ずかしい。
そういえばミミィと出会って9年間ミミィを洗ったことは1度もない。煙草云々以前に相当汚いのではとも思い始めてきた。
私はたまらずスマホでプラウザを立ち上げ『ぬいぐるみ 洗わないとどうなる』で検索をかける。
検索結果には『ぬいぐるみは置いてるだけで埃が溜まるため、ダニやカビの温床になります』と出てきた。洗おう。今日は幸い天気も良い。ミミィを洗う事にしよう。
(続きはサポーター様限定ノートに掲載しています。)
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