第28話 るるちゃんはどこまでもついて行く

 2週間以内にノルマをこなせれば加入ということで話がまとまり私とるるちゃん以外の4人は嬉しそうにしていた。歓迎ムードでキャッキャと話に花を咲かせている。


 やっとるるちゃんの言っていた「さっちゃんは社交的で常に人の輪の中心に居るような人」という説明が分かった。こういうことなのね。


 一方私とるるちゃんは完全に置いていかれており、その様子を黙って眺めることしか出来なかった。


「ねぇ、るるちゃんはどうする?」


 サクラは話の途中に後ろを振り向き、るるちゃん尋ねた。私はるるちゃんも一緒にが前提にあると思っていたけれどそこは違うのか。


 その一言でサクラの明るくて人懐っこい中にとてもドライな一面がちらりと見えた気がした。


「あ、えっと。」


 るるちゃんは言い淀む。彼女はサクラを魔法少女にさせないために討伐を頑張ってきたのであって、世界を救うことには全く興味がないのだ。

 急に意識高く修行しようと言われても困るのは当然である。


「私、先輩と一緒に肩を並べて戦うのが夢だったの。勝手にチームに入るの決めちゃってごめんね。きっと先輩の討伐は今以上に危険なことがあるだろうし、修行も大変あろうから無理して一緒に入らなくてもいいんだよ。」


 ここまでるるちゃんを振り回して置いてすごく残酷なことを言う…。

 いや、サクラが頼んだことではなく、全て勝手にるるちゃんが動き回っていただけなのだけれど…。


「ごめんね。今までは一緒に討伐に行っていたけど、これからはレナさんについて行くことになるかも。」


 急なコンビ解消宣言はあまりにも酷すぎる。それを聞いたるるちゃんは俯いて震え出した。先日るるちゃんのサクラが大好きな所の話を長々と聞いただけに少し流石に可哀想と思えた。


「サクラ、明日から急に一人で討伐に行ってというのはあまりにも酷すぎない?」


 るるちゃんの震えが大きくなり出したのでたまらず助け舟を出してみた。


「いえ、世界を救うためです。るるちゃんも魔法少女だから分かってくれますよ。」


 ごめん、るるちゃん。助け舟を速攻で沈められてしまった。


「…。」


 るるちゃんがポソポソと俯きながら何かを言っている。


「え?」


「やります!私もチームに入ります!」


 顔をばっとあげてそう言った。ちょっと泣いている。でも覚悟を決めたような表情だった。けれどるるちゃんの覚悟はみんなと違うところにあるのだろう。例えばそう、サクラと心中することになっても構わないのような覚悟だ。


 るるちゃんのサクラへの想いは本物のようだ。

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