第24話 段取り全部してくれるね
翌日の20時、レナちゃんたちから指定された公園に足を運んだ。 公園内に入るとすでに他の3人は集まっておりペットボトルのジュースを飲みながら談笑していた。
「ごめんね。お待たせ。」
私が声をかけるとレナちゃんはパッとこちらに振り向き「いえ、全然!私たちが早く着きすぎて しまって!」と爽やかな笑顔で言いい、「とりあえず座ってください。」と私をベンチに座らせ た。
「あの...。」とおずおずと言った風に赤色の魔法少女だった子、レミちゃんが私の方によってきた。
「夜ですけど、暑い中でお話しすると熱中症が怖いかなと思って...。凍らせたペットボトルを家から持ってきたので...。良かったら...。」
レミちゃんはポソポソと話しながら、私に保冷の材質になったトートバックの中が見えるように差し出してくれた。なんて準備がいいのだ。
連絡をくれたことといい、飲み物の準備といい、この姉妹には少し申し訳ない気持ちになってしまった。
「ありがとう。じゃあこれをもらおうかな。」
私はそういいながらスポーツドリンクを一つもらった。私がそれを飲み始めたあたりでレナちゃ んが「今日の討伐について少し良いですか?」と聞いてきた。
「今日の討伐、コトミさんは戦闘に参加しないで、私たちが戦っているところを見ていただくというのでも良いですか?」
「別にいいけど...。なんで?」
「この前ミコトさんに助けていただいた時。本当にお恥ずかしいところをお見せしたなと思っ て...。精神汚染の能力を持つセカイの敵から1撃で全員戦闘不能...。だから今回はちゃんと戦え るところを見ていただいて、私たちの能力を測っていただきたいなと思ったんです。3人で相談して決めました!」
レナちゃんがそういうと他の2人もこくこくと頷いていた。 どうしてこう魔法少女になるって子はこうもバイタリティが高いのか。
爪の垢を煎じて飲んだら私もこうなれるのだろうか。いや、なりたくないんだけども。
「なるほど...。全然いいんだけど...。私はみんなの戦ってる様子を見たけど、逆に3人は私の戦ってるところ、全く見たことなくない?それはいいの?」
私がそう尋ねると、黄色の魔法少女のヒマリちゃんがキラキラと顔を輝かせて「いえ、ピピィに様子を聞いたので!」言った。
「私たちが精神汚染で倒れたときに、上空から完璧な照射のビームが撃たれたと聞きました!そもそもビームって高純度の『プリズマ・エナジー』が練れないと打てない難しい攻撃をした上、1撃で倒すなんて!」
ヒマリちゃんの勢いに私は「おぉ...。そっか...。」と圧倒されてしまった。
「では、そろそろ良い時間ですし、『セカイの敵』討伐に向かいましょうか!」
レナちゃんが両手を叩いてそう言った。
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