第19話 才能を見つけてもらった時の話。
帰宅して身支度を済ませ、ベットに入りまどろんでいるとミミィに叩き起こされた。またセカイの敵が現れたので早く討伐に行けとのことだ。全く人使いが荒すぎる。
ここで逆らっても良いことは一つも無いので携帯だけ持ってミミィの指定する場所に行き、ささっとビームを撃って帰宅した。
寝巻きにしている高校時代の体操服のまま出て行ったので、家に戻り速攻にベットにダイブする。やっと寝れる。今日は流石に疲れたのでもうセカイの敵は出ないので欲しい。お願いだから。
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アラームの音で目が覚めた。
昨日の疲れのせいで睡眠が浅く嫌な夢を見ていた。魔法少女を始める少し前の夢だ。
私には兄が2人居る。2人ともとても優秀な人だ。
上の兄は一流企業で働いて、大学時代から付き合っている彼女と結婚。もうすぐ子供も生まれる。下の兄は実家から少し離れた場所にある一流大学の大学院の2年生だ。もちろん就職先も良いところへ早いうちに決めていた。
上の二人はさして努力をしなくても勉強はできるし、運動もできる。なんというか要領の良い人達だ。
方や私はお世辞にも要領が良いタイプではなく、上二人が当たり前の様に越えられるハードルに躓く子供だった。
世間的に見ればそこそこできる方ではあるのだが、塾での順位やスポーツや絵を描いて表彰される回数でわかりやすく兄達よりも劣っているのが分かるため強い劣等感を感じていた。
また両親はマメな人なので、もらった賞状を毎度額縁に入れて飾るのだが、目に見えるように置かれることで、さらに私の劣等感が引き立てられる。
父も母も、決して叱ったり責めたりはしないが「どうしてできないのかが分からない」といった様子だった。そして決まって「ミコトにはミコトの良いところがあるから。」というのだ。
父も母も兄も皆『名門・天流学院中等部』の出身だったため、当然私も入るものだと思っていた様だが、家族の作る『できて当然の壁』は、私にはとてもとても高いところにあり、簡単には越えられるようなものではなかった。
そして私が小学6年生の時。合格ラインに届かない模試の結果を握りしめて、塾の近くにある人気のない公園で泣いていたらミミィに声をかけられたのだ。
「君は天才だ」「君の才能を活かせる場所がある」と。
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