第14話 過去イチの一撃!
「ミコト。大丈夫。絶対できるよ。」
ミミィがもう一度、ゆっくり諭すように言った。
「…わかったよ。」
私は喉から搾り出すようにして返事をした。
もう他に方法もないのだ。やるしかない。緊張で喉の奥がギュッと閉まる感覚がする。
こんなにたくさんのことを考えて、こんなに緊張しながらビームを撃つのは初めてだ。
しっかり狙いを定めて。
しっかりと体に満ちるプリズマエナジーを感じて。
適切な出力で、
狙った場所に…。
撃ッ!
いつも放っているビームより軌道が細く、威力が強いビームが放たれた。
ビームは狙い通り「セカイの敵」に着弾しさらさらと灰になっていった。
全集中して撃った渾身の一撃がこの威力…。普段撃ってるの力が分散してたのかな…。
ともあれ、他の魔法少女に被害を与えずに上手くセカイの敵を討伐できたため、全身の緊張が緩む。私は空気を吸いやすくなった肺で深呼吸した。
とりあえず下に降りるか。あの子達の様子も気になるし。
ーーーーーーー
下に降りて3人の様子をきちんと確認したが、頭を抱えたまま呻き苦しんでいる。
「ミミィ、この前るるちゃんがやってたみたいな回復魔法ってどう使うの?」
「患部に手を当てて、治すと念じながらプリズマエナジーを放出すれば治せるミィ。」
喋り方元に戻ったな。まぁ別にいいんだけど。と頭の片隅で思いながら言われた通りに魔法をかける。
パァと優しい光が視界を覆った。るるちゃんと使った時と近い感覚だ。多分上手くいってそう。
徐々に視界が戻ってきたため、彼女達の様子を伺う。
ぱっと見の外傷も綺麗に治ったようだ。これで目が覚めてくれれば安心なんだけど。と思いながら3人の様子を見ていた。
「ん…。」
紫色の子が声を小さく声を上げて目を薄く開いた。焦点があっていないようだ。私が「大丈夫?」声をかけると、ハッと目を見開きがばりと起き上がった。
「セカイの敵は?!」
と悲鳴にものように言うので、私は極力落ち着いて安心させるように「もう倒したよ。」と返す。そうすると彼女は分かりやすくホッとした表情を浮かべた。
私たちがそんなやりとりをしている最中に残りの2人も目を覚ました。
3人とも戦闘の最中に気を失ってしまったせいで妙な緊張感が溶けてにないようだった。
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