第11話 脅さない時はマジなやつ

 家でTwitterを眺めながらゴロゴロしていたら、珍しくミミィが話しかけてきた。


「ミコト。大事な話があるミィ。」


「何…。急に改まって…。」


 ミミィが珍しく神妙な表情…。いや、正確には表情は変わっていないのだが、そんな雰囲気で話しかけてきた。思わずこちらも姿勢を正す。


「プリズマダウンの神殿で近いうちにかつてない強さの『セカイの敵』が現れるというお告げが出たミィ。」


「ふーん…。」


「もう少し真剣に向き合ってほしいミィ。」


「だって今までの奴ら、ビームを一発打って倒せる程度の奴らだよ?かつてない強さって言われても2.3発ビームで消せるくらいのやつかなって思うよ。」


「今回の敵はミコトが長期戦に持ち込んでも倒せるか難しい強さミィ!」


 ミミィはズバリと言い切った。

 なんで敵の個体ごとの実力差がそんなにあるんだよ。


「そんなわけでミコト。かつてないほど強大な敵に立ち向かうために魔法少女の仲間を集めて欲しいミィ!」


「はぁ?」


 思いっきり嫌そうな声が出てしまった。


 なぜなら私が魔法少女をはじめたての頃に「仲間を作りたい。」と相談したら「ミコトは天才だからお荷物になる雑兵と仲良くなる必要はないミィ」と言われたのだ。


 当時の私はまだ小学生。そんなことを言われてもアニメに出てくる魔法少女のようなチームを組む夢が捨てられてず強行突破しようとしたことがある。


 しかしミミィはそんなことお見通しで「いつものSNSにばら撒くミィ」で黙らさられた。


 それからは他の魔法少女とはほぼ交流を持たずに9年間。孤独に戦ってきた。

 なのに今更魔法少女の仲間を作れだ?冗談じゃない。


「冗談じゃない。今更仲間とか。」


「ミコト、はっきり言言わせてもらうミィ。仲間を作らないとミコトは高確率で死ぬミィ。」


 私の発言に被せるようにして、ミミィははっきり言い切った。マジトーンで言うじゃん。


 ミミィが私を従わせる時に使う「SNSにばら撒くミィ」を使わないときの発言は、本当に従っておいた方がいい忠告なのだ。


 まじで死ぬレベルなの…?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る