第7話 例の自称後輩
助けた緑の魔法少女は朝倉さんだった。
「1度でなく2度までも命を助けていただくなんて…!感謝してもしきれません!」
「あー…。無事でよかったよ。」
朝倉さんは私の両手を握りながら何度も感謝の言葉を述べた。その様子を見ていた水色の子がおずおずと言った感じで話しかけてきた。
「さっちゃん、この人が例の先輩?」
「そう!この人が私の魔法少女になったきっかけの『プリズマガール・コトミ』!ずっとるるちゃんにも紹介したかったの!」
ずっと紹介しなくてよかったのに。とうっすら思いながら2人の会話を聞いていた。
「えっと、麻倉さんとるるちゃんは元々友達なの?」
「はい!私たち幼馴染でなんです。通っている学校は違うのですが!元々るるちゃんの方が先に魔法少女をやっていて、最近お互いが実は魔法少女をやっているのに気づいて…!ちょっと前からセカイの敵討伐は2人でやっているんです。」
「へ〜。」と聞いているとるるちゃんが改まってこちらに向きなおり「改めて。私達を助けてくれてありがとう。」とお礼を言いながら深々と頭を下げたので私も「どう致しまして。」と返した。ともあれ死人が出なくてよかった。と思っていると少し遠くからパトカーのサイレンの音がした。
「あ、やばくない?!警察来てるじゃん!」
サイレンの音を聞きながらはっとする。無事だった安心感で気が抜けていた。戦闘中それなりの音を立てながら戦っていたのだ。通報されていても何も不思議ではない。討伐したら即退散。魔法少女を続ける上での必須事項だ。
「早く2人ともここから退散しよう!」と言いながらすぐに立ち上がり逃げようとすると「待ってください先輩!」と麻倉さんが私を引き止める。
「え?何?今言わなきゃいけないこと?」
パトカーの音が確実に近づいているのが分かるので気持ちが
「あ、あの、私も下の名前で呼んで欲しいです…。るるちゃんばっかりズルい…です。」
うわ〜死ぬほど今じゃな無くていいこと。
「分かった!分かったから!早く逃げな!私はもう行くから!」
と返事をし、2人にこの場からすぐに立ち去るように促してから私は早々に現場を後にした。走りつつそういえば麻倉さんの下の名前ってなんだっけとちらりと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます