第9話 彼氏作るのはどう?

 あたしとお姉ちゃんの共同部屋で、いるのはあたし達2人だけ。さっき千夏さんに聴いたことを確かめなくちゃ!



 「お姉ちゃん、今日照と光さんの3人で貸し切り温泉に入ったらしいじゃん?」


「そうだけど…?」


何を言われるか予想できない感じの顔だ。


「一応訊くけど、2人に迷惑かけてないよね?」


「かけてないよ。昨日大学の学食で光ちゃんといる時に、別の講義を受けていた照さんと合流したの。3人で食べてる時に、照さんから誘われたんだから。もちろん光ちゃんもOKしてくれたよ」


だったら問題ない…かな?


「紗香の言いたい事は何となくわかる。2人はブラコン・シスコンだから、邪魔するなって事でしょ?」


「そういう事」

一応自覚はしてるんだね。


「わたしだって、それは気にしてるよ。でも気兼ねなく話せる人は光ちゃんと照さんだけなの。紗香も知ってる通り、付き合いは長いからね」


お姉ちゃんが照達と初めて会ったのは、4年前の高1の時になる。それだけの関係になれば、いつも一緒にいてもおかしくない。


「2人は優しいから、わたしを気にかけてくれるの。もちろん紗香の事もね」


中学の時は照と光さんが家庭教師をしてくれたけど、受験に合格してからはお母さんの方針で止めたんだよね。だから2人とは、運良く銭湯で会えたら良いなって感じ。


前より会う時間は減ったのに、変わらず気にかけてくれてるんだ。嬉しいな~。


「そんなわたしが2人にできる事は、光ちゃんに最初を譲る事なんだよ」


他にもできる事あるんじゃない? と頭をよぎる。


「照さんは3年だから、就活で忙しいし疲れてるの。だからはできないか、すぐ終わる事が多くて…」


「それで満足できなくて自慰してたって事?」


「……うん」

お姉ちゃんは恥ずかしそうに答える。


タイミング的に、今がベストかな? さっき考えたことを言おう。



 「お姉ちゃん。2人を想うなら、他に出来る事あると思うよ?」


「何があるの…?」


「えーと、“彼氏を作る”とか? その人とHするようにすれば、照と光さんにHの事で迷惑かけないでしょ?」


「彼氏? 無理無理無理」


即答されちゃった。でも他の方法は思い付かないし…。


「お姉ちゃんのバイト先に男いないの?」


「もちろんいるよ。でも仕事の事しか話さないから…」


お姉ちゃんにアドバイスできるほど、あたしは経験豊富じゃない。良いアイディアだと思ったけど、ここまでみたいだね…。



 話が一区切りした時に、部屋の扉がノックされた。


「静・紗香、ご飯できたわよ~」


さっきお母さんに聴いた時間より早くできたみたい。お腹ペコペコだよ~。


「今行く」

「は~い」


あたしはお姉ちゃんに続いて部屋を出た。


夕食後、部屋に戻ってきたあたし達。後はお風呂を待つだけだ。


「お姉ちゃん。良かったら、あたしが気持ち良くしてあげようか?」


「急にどうしたの?」


「だって、さっきあたしが邪魔しちゃったし…。中途半端なんじゃないの?」

あたしが部屋に入らなければ、最後までれたかもしれない。


「まぁ…」


「なら決まりだね。誰にも言わないから安心して」


「…それじゃ、お願いしようかな」

お姉ちゃんは恥ずかしそうにを渡してきた。


「よ~し、いろいろなところを責めてあげるからね♡」



 こうして、お風呂の時間までお姉ちゃんを気持ち良くしたあたし。今日は満里奈ちゃんと恋ちゃんに責められたから、責めたい気持ちをお姉ちゃんに向けちゃった♡


お互いお風呂に入った後は、早めに寝た。これからもこんな感じの日々が続くと思ったけど、あの人の存在があたし達をかき乱していく…。

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