第28話 対策会議
「マスター、セシリー様の傷は大したことない。時期に良くなる」
「……治してるのは分かるがその絵面はなんとかならねえか?」
スライムの治癒行為らしいのだが、大きくした身体でセシリーを包み込んでいる。
どう見ても捕食しているようにしか見えないけど……大丈夫なのか。
「たまに溶けちゃったりするけど、ほぼ無害だよ」
「ならダメじゃねーか!!」
「まあまあ、ライム様がそのようなミスをするとは思えませんし任せましょう」
多少不安は残るが俺達は俺達の問題を考えることにしよう。
再び寮に戻り、風紀委員関連の対策を考える。
反撃とはいえ風紀委員に攻撃はした。
銃の一件を加えて、これで完全にマークされる事になる。
「ナンバーだけならなんとかなるが……上まで出てきたらやべぇかもな」
「ナンバー先輩も相当強かったよ? なのにあれ以上が来るなんて……」
「風紀委員長、とかですかね?」
まあその辺が妥当だろうな。
風紀委員会なんだから風紀委員長がいるのは当たり前。
どんな人かは全く知らないが、少なくともナンバーくらいなら簡単に倒せる気がする。
実力も全貌も未知数。
ライムに調べさせたが普段は表にほとんど出てこないらしいし。
「風紀委員長が出てこなくても人員増やして再突撃もありえるからなー。罠とか大量に貼っておくか?」
「大賛成!! ちょうど試したかったアイテムがあるんだよね〜♪」
楽しそうに部屋へと向かうリリィ。
何かやべぇもんでも出しそうだな……
火力とか含めて後で確認しないと。
「交渉はできないのでしょうか?」
「無理だな。そもそもヤツらは実力行使が大好きみたいだし」
嫌なヤツらだよ全く。
前世の風紀委員の方が百倍親しみやすかったわ。
「その通り、ヤツらには実力で戦うしかない。お主らに全てがかかって……」
「お静かにしてくださいませんか、マヤ先生?」
「ひぃっ!?」
……そろそろ触れた方が良さそうだな。
あの後マヤ先生はメイにものすごーく怒られ、部屋で正座をさせられていた。
最初はマヤ先生もなんじゃかんじゃと反論していたが、メイにとってはご主人様に迷惑をかけた事が相当頭にきていたらしい。
『例え適わなくても毎日貴方を襲いますし呪います。ご主人様に迷惑をかけた罪、ぜっっっっったいに許しませんからね?』
『……ごめんなさい』
と、言うわけだ。
年上の先生相手にも表情を崩さず、冷たく圧をかけ続ける姿はマジで鬼だった。
俺達はメイの怒りをただ見守り続けた。
だって巻き込まれたくないから。
「と、まあワケあって俺達はピンチだ。なんとか対処方法を考えないと……」
「だったらいい方法がある」
ぴょんぴょんと俺達に小さい分身を飛ばしてくる。
この分身も声を出せるからすげぇよなぁ。
「なんだライム? いい方法ってのは」
「やられるのが怖いなら、こっちからやっちゃえばいい」
「……」
一瞬、沈黙が訪れる。
えーと、つまりは?
「風紀委員会を襲っちゃおう、マスター」
内容はシンプル。
だけど、とんでもない方法がライムから提案されてしまった。
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