第28話 高校のクラスメイト
俺たちが通う高校はやはり偏差値が高い高校というのもあり、進学や就職には結構有利な高校だ。ほんとに中学のテストで毎回上位に食い込んでくる奴らが入ってくるような難易度がかなり高い。
ほんと、前世のアドバンテージがなかったら確実に受かることがなかったであろう高校だ。
前世の記憶えぐいなと思いながら、入試で満点の成績を収めた沙彩の体育館で新入生代表挨拶を聞く。
(どうやら今回の入試はレベルが高かったらしい数学───あれを満点とるなんてまじでやばいな)
今回数学が得意な俺が満点とれなかった今回の入試はどうやら数学だけレベルが高いタイプの入試だったらしい......それを見事満点をとってみせたのが沙彩だ。
(数学だけじゃない.......ほかの教科でもしっかり満点をとった。そんなことは今までで初めてだったらしい.......流石沙彩だよなぁ)
みんなが必死こいて入試の過去問を解いているなか、沙彩は俺に如何にしてうまく教えるかを考えていた......ふつうに他の奴らがキレそうなことだ。
そんなことをして見せた沙彩はやはりというか何というか.......かなりの数の生徒から視線を奪っていた。
「あの子可愛いな.....」
「凛々としていて美しいわ....」
「芸能人か......?」
周りの奴らは完全に沙彩の美貌に魅了されていた.....まぁ正直仕方がないと思う。
幼馴染ということをぬいて見たとしてもやはり沙彩はアニメから出てきたかのように美しいのだ。それに加えて高校生ではあり得ないあの品性.......おそろしいもんだ。
この様子じゃ男子からたくさん告白されたり......なんやかんや女子からもされそうだな。
「新入生代表挨拶を終わります.......新入生代表、天海沙彩」
そんな沙彩の挨拶が終わりその場は拍手につつまれ、教師たちも感心した目で沙彩のことを見つめていた。
そうして沙彩は微笑み、整えられている綺麗な黒髪を靡かせながら、その場を去っていった.....が、帰り際に俺と視線があった。
沙彩はその瞬間俺にしかわからない程度に瞳を輝かせて、さっきの微笑みとは比べものにならない笑顔を一瞬俺に見せてきた。
(......ったくよ、そういうのがずるいよなぁ)
沙彩がしたその行動に、はぁっとため息をつき......頬を少し赤くしながら沙彩のことを見送った。
そうして入学式は終わり......俺らは教室へと向かっていた。
▽▼
そして俺らは教室についたわけなのだが、先生が来るまで自由時間となった。
「人生って何が起こるかわからんよなぁ......」
「まじそれな」
そう......中学時代からの友人で何気に頭がよかった親友......怜と要が俺の目の前にいた。
クラスがどうなのかは、校門前にでーっかい紙にそれぞれ年組名前が書かれていたわけなのだが。
『浅海有希 一年一組』
『天海沙彩 一年一組』
『怜 一年一組』
『四季双葉 一年一組』
『要 一年一組 』
とまぁこんなふうに.....まるで見えない力が働いているかのように同じ中学校の奴らが全員同じクラスになるとかいう異常事態が発生した。
一体どんな確率でこんなことがあるんだよとか思ったりもしたのだが......まぁ転生というのが起こるくらいだし、俺は完全に考えることをやめた、
「まぁなんやかんやよろしくな、二人とも」
「あぁ」
「当たり前だ」
そうして俺はこの二人にまたよろしく.....という挨拶の掛け合いをしたのだが、俺らの目線の先にはとある少女が二人いた。
「同じクラスとはねぇ。まっ、よろしくね!有希」
「こちらこそよろしくお願いしますね.....沙彩」
一人は俺の幼馴染にして完璧で天才である美少女である沙彩、そしてもう一人はその沙彩の唯一の友人にして、何気に高スペックであるお嬢様である有希だ。
俺らが同じクラスであったように......しっかりとあの二人も同じクラスであった。
沙彩のさっきの挨拶の影響と、そしてあの二人の美少女といえる容姿のせいで......あの二人はさっそく注目を浴びていた。
(......決して顔にだすことはしないが、確実に沙彩不機嫌だよなぁあれ)
今までのこの数年間で確かに沙彩はいろんな人と毒舌をあまり使わず.......いや男子には結構使っていた気がするが、それでも俺と出会った頃よりかは遥かに緩和していた......のだが。
(結局本質は変わることはなかったしなぁ......)
最近あまりそういう場面がないから結構忘れられてる気がするが.......結局人間をごみとしか思わないのが沙彩なのだ。
だからこそそんな奴らに向けられる視線を、沙彩は鬱陶しいとでも思っているんだろう。
「そういや担任の先生はまだか?」
「あれから十五分ぐらい時間たってるよな」
「入学早々あんま待たせないでほしいもんだよな......」
俺らがそんなことを話していたら突然......教室の扉が開かれた。
その担任の先生は女性の担任であり、暑いのか少し胸元のボタンを開けており、そしてきっと伸ばしたら長いんであろう黒髪は後ろでまとめられて、ポニーテールになっていた。
「皆のもの、席につけ」
呆気にとられていた俺たちクラスメイトは、ハッとしたかのように意識を現実に戻し、急いで黒板にかかれていた席順に座った。
「私の名前は叶井だ。これからよろしく頼む」
彼女は......いや、叶井先生はクールな表情でそう言った。
なるほど......どうやら俺らのクラスの先生は生徒に厳しそうな先生と見えるだろうが、数々のラブコメを読んできた俺にはわかる.....あれは実は凄く生徒に甘い系のクールな人だ。
「さて、君たちは義務教育を終えて、この高校に入学し、そして高校生となったわけだ」
あぁ......この世界に転生する前の年齢に結構近づいてきたんだなぁ。
「そしてこのクラスで一年間過ごすわけだが......君たちには一つやってほしいことがある」
そうして叶井先生は一拍をあげて告げた
「.......自己紹介を」
そんな溜める必要ある?......と、思わず思ってしまうのだった。
あとがき
怜と要の苗字どしよ.......
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