第19話 サイコパスな沙彩ちゃん

受験まで残り1週間......受験勉強もラストスパートになってきた。相も変わらず俺は沙彩に教えもらいながら、受験勉強を進めていた。

俺はあまり何かを継続し続けるというのが苦手なのだが、沙彩が付きっきりで教えてくれるのに、俺がその期待を裏切る訳にはいかないので何とか続けることができた。


「うへぇ〜、疲れた〜」

「まぁここまで出来たなら正直もうなんもしなくても大丈夫かなぁ」

「お、沙彩さんのお墨付きはでかすぎるぜ」

「君の事だから凡ミスとか結構しそうだけどね、そういう性格だし」

「そういう性格ってなんだよ?」

「好きな事には一途だけど、他には興味を持たない性格かな」

「.....まぁ、それって良くねぇか?」

「そうだね、とても都合がいい」

「都合ってなんだよ怖いわ......」


好きなことに一途.....というと、1度決めたらずっとその事に熱心にやり続ける性格という意味なのだろう、沙彩が俺にそんなに高評価をしてくれるなんて珍しい事もあるもんだ


「よく俺がこんなに努力出来たよなぁ、勉強なんて尚更嫌いだったしな」

「私はそこまで驚かなかったかな」

「え、なんでだ??」

「さっきも言ったけど君は一途....というのは色々な意味があってね。その中に君は1度決めたら投げ出さない、中途半端なことは許さない、それが私が知ってる双葉くんだし

「沙彩......!」

「いやでも......君は案外適当な所もあるし.....よく考えたら奇跡かもね」

「今ので全部台無しだよ、沙彩」


俺を喜ばせてから落とすなんて....やるじゃないか、俺が変な方向に快感を感じてしまったらどうするんだ、まったく。


「上げて落とすだなんて.....俺の幼馴染は一体いつからこんなアブノーマルな性格に成り下がってしまうだなんて、悲しいぜ」

「んんん?君の知能がどうやら本当に猿にまでなってしまったらしい、早急に手術しないといけないね」

「ごめん悪かった許してくれ、お願いだからそのナイフをしまってくれお願いしますほんとに」


沙彩は一体どこからか取り出したのか分からないナイフをもち、俺のところに近づいてきた.....怖すぎだろ、普通に死の恐怖を感じたわ。


「あぁ......今のは流石の私も相当イラッとしてしまったよ。とっくのとうに精神が習熟していると思っていたけれど、まだまだ成長が出来るらしいねぇ」

「ふっ.....ならその役目は幼馴染の俺の仕事だと思わない───」


俺がその言葉を言おうとした瞬間、ナイフが俺の顔の目の前で止まった


「いやほんとに心の底から悪いと思ってるんでだからその、そのナイフをしまってほしいです」


俺は即座に沙彩に跪いて、どこかで沙彩の機嫌を取ろうと心の底から誓った。

どうやって沙彩の機嫌を取ろうかねぇ


「もう15時だね....そろそろお菓子の時間といいたいけど、何もないね.....はぁ」


俺はその言葉を聞いた瞬間閃いた......なんか沙彩の好物を買ってきて機嫌を取るしかない!!!


「じゃ、じゃあ、俺がなんか買ってくるか?ほら、勉強もひと段落ついたところだしよ」

「んーー......君、明らかに私の機嫌を取ろうとしてないかな?」


あ、やべ一瞬でばれた。あかん、このままだと更に機嫌を悪くさせて最悪の未来を辿るなんていう最悪の未来が見える.....かくなる上は!!!


「......っ!!!??」

「そんなことあるものか!!」


俺は自分でもびっくりする速度で沙彩の前にいき、沙彩に思いっきり、力いっぱい抱きつく。


「ほんとはこの場から去りたくない!だが沙彩との至福の時間を過ごすためには仕方のないことなんだ!!」

「わ.....わかったから、ちょっと離れて.....」

「離れるものか!!お前が俺の考えを理解していないというのであれば!俺はこのまま離れない!!」


名付けて.....無理やりその場を突破しよう作戦だ!!どうせまともに話したら、全て俺の心を見透かされて、更に沙彩の機嫌を悪くしてしまい、最悪の未来を辿るかもしれないんだ....だったら、ここはゴリ押ししてでも無理やりいくしかない!!


(まって......そんなうれしいことを急に言われたら......)


沙彩はいつもの大人しめの双葉ではなく、この場を乗り切ろうと必死の双葉が無理やり沙彩

に盾突こうとしているいつもの双葉では想像つかない様子に.....なぜかときめいていた。


(あはぁ......♪何を考えているのかは知らないけどぉ、必死に私に頼んでくる君の切羽詰まった顔......最高じゃん♡)


.......案外、双葉が沙彩に言ったことは間違いじゃないと思うのだが.....ここはそっと心の内に秘めておこう、墓まで持っていこう......沙彩が隠れサイコパスだなんてそんなはずがないのだ。


「全く......君は私のことが好きすぎるんじゃないの?」

「......あぁ、大好きだ!!」

「......あははっ♪」


(正直とても反論したいが、反論したら流石にばれるからここは肯定するしかない.....いやっ、めちゃはずかしいわ、これ。ていうかさ.....なんか、めっちゃ沙彩頬を上気させて俺のこと見てない??.....なんかめっちゃこわいんだけど、あの目)


沙彩の顔が一体どの様子なのか......その説明はあえて省かせてもらおう、なぜなら言葉で説明できない顔だから...。


「いいよ、行ってきて。でもすぐ帰ってきてね?」

「あぁ!!!わかった、すぐ帰ってくるぜ!」


双葉はとりあえず外に出ることに成功する.....が、正直双葉は、いや、誰の目から見ても沙彩の様子が上機嫌な様子を見ていると......


「......これ、もはや機嫌とりの必要なくね?」


と、思ってしまうのだった。





あとがき

そういえば、10万PV達成しました!!ありがとうございます!!

これからも出来る範囲で頑張ろうと思いますので、これからもよろしくお願いしますね♪

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