第18話 みんなのトラウマ、高校受験

時はすぎて中学三年生の冬休み....,最近、あまり記憶になかったがあれが迫ってきている。あれとは一体何なのか、ほとんどの人はわかるだろう。

そう、高校入試である。この頃になると、みんな三年間の勉強を一通り終えて私立の過去問や、早い人は公立の過去問をしている人もいるかもしれない。

なら俺はやっているのかと気になる人はいるだろう、答えはもちろん......NOである......いやまずくね??結構真面目にまずい。

つい前世でのアドバンテージに浮かれてしまい......すっかり忘れていたのだ、受験勉強を。このままではやばい.....沙彩と同じ学校に行くというのであれば尚更だ。

沙彩はもちろんこの三年間勉強をしており、なんだかすごい学力になってしまっているのだ。それに比例してもちろん第一志望の高校は偏差値が凄く高いところになってしまっているのだ。


『私はどこの高校行っても、どうにかなる自信あるし君がいけるところに合わせるよ』


と、沙彩は言ってくれているが、それは俺のプライドというか.....前世のアドバンテージかをあるくせに偏差値が低いところにいくのは嫌だった。

ということでまぁ......


「どう?私が出した問題出来たかな?」

「おう、一応一通りやったぜ~、沙彩」


沙彩の家に訪れ、しっかりと沙彩に勉強を見てもらっていた。

いやまぁ、俺も悪いとは思ったんだぜ?でもな?


『私はもう高校の範囲も全て終わっているから心配いらないよ。勉強サボって知能が足りなくなった君に勉強ぐらい教えれるよ♪』


.......というこの世の受験生を全員怒らせるような発言を見事にしてくれた。

いやほんと.....天才って怖いね?やることなすこと全て規格外なんだからさ。

俺にも才能半分分けて欲しいと思ってしまう。


「ふむふむ、ちゃんと出来たようだね?」


とまぁ、そんな考え事をしているうちに沙彩先生のチェックが終わっていたらしい。

全部あっていたらいいのだけど......


「お、全問正解じゃないか」

「いくつか難しい問題を入れてみたんだけど、ちゃんとできているんだよね。しっかり私のいったことを理解して応用できている。流石だね」

「おぉ、そりゃあよかったぜ、褒めてくれてもいいんだぜ?」

「......さてと、さっさと進もうか」

「無視は酷くないかぁ!!?」


俺の褒めてほしい発言を見事にスルー......いやぁ、たまには褒めてくれてもいいじゃないか。思わず俺は頬を膨らませて沙彩のことを睨んでしまう......


「....ふふっ」


そんな俺を見て沙彩はクスッと笑い、俺の顔に手を伸ばしてきた。

一体何のつもりだとその様子を見ていたのだが.....沙彩は俺の頭を撫で始めた。


「普段はあんまり言わないだけで、しっかり心の中で褒めているよ。でも君はすぐ調子に載ってしまうタイプだからね。たまにで我慢してほしい」

「.....ほえ?」

「....たまには、欲望があふれ出てしまうよね」


沙彩は愛おしいのを見るような情熱的な瞳で.......双葉のことを見続ける。

沙彩は欲望を抑えきることができなかったのか、目にも止まらぬ速さで双葉の背後に周り、手を双葉のお腹に伸ばす。


「ちょっ.......さあやさん?」

「少しだけ我慢してね......♪」


(いやあの......あたってるんでずけど!?)


何がとは言わないが.....柔らかいものが双葉に触れていた。

抱きつかれたら、そうなるのは当然だろう.....だが、もし紳士というのであればここは優しくさあやを引き離すのだろうが、双葉にはそんなことできなかった


(なにこれ.....幸せな気持ちで包まれてんだけど)


双葉にとってこの感触は思ってたよりも気持ちの良いもので、抵抗する力など持ち合わせていなかった。むしろ双葉はなにも考えずに、ただ、無意識に.....沙彩が伸ばした手に触れ、無理やり恋人つなぎをする


「あっ......♪」


沙彩は双葉が無意識にしてきた行動に思わず笑みをもらしてしまい、ただでさえ沙彩を満たしていた幸福感がさらに沙彩の心を満たしていく......。

そして沙彩はこれでも更に足りなくなってしまい、更にぎゅっと双葉のことを力強く抱きしめる。


(沙彩って普段は毒舌クールキャラだから.....こういうことをされると、いつもとのギャップのせいで、いつもの倍可愛く思えてしまうんだよなぁ.....)


これ以上抱きつかれてしまうと、ほんとにどうにかなってしまうと僅かな理性でギリギリ判別することができた双葉は沙彩を引き離そうと考え始めるが、そんな必要などなかった。なぜなら沙彩から腕を離してくれたからだ。


「ごめんね、ついはしゃいでしまった。勉強しないといけないのに、これはよくなかったね

「いや別に......ご褒美だったし」

「ごほうびぃ.....?何か不純なことを考えてたんじゃないのぉ?」

「もしそうだと言ったら....?」

「その時は君もエロガキなんだと思うよねぇ.....まっ、許すけどさ」

「いやいいんかい」

「慣れたことだしね」

「えそれ慣れていいの?俺そんな視線を沙彩に何度も送ってたの??」


どうやらここで新事実が発覚.....自分でも意識せずにそんなことをしていたらしい。

これからはしっかり理性を保たないとね。


「まぁ正直、勉強はもういいかなぁ。どうせ受かるだろうしね」

「お前基準だと怖いんだが.....」


いやほんとに沙彩の基準だと怖いのだ.....いや決して沙彩のことを信用していないだとか、そんなんじゃないのだか......沙彩の一時間勉強は凡人の48時間ぐらいに匹敵すると思っていたりする。

いや別に誇張表現とかじゃないぞ?結構本気だったりする。

それほどまでに沙彩は天才なのだ。


「ほんとに心配することはないよ?───もう既に話は付けているからね」

「......なんの話?」


俺は沙彩のその発言に少しばかりの違和感を感じるのだった。






あとがき

一体沙彩は誰と話をつけたんだろうね.....?



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