第4話

 主人公は息をあげながら階段の壁で銃を向けている。そしてしばらく誰もこないことに気づいて、どうにか銃を下げる。

主人公「また、登っちゃった……」

 そして階段を見つめる。階段は再び、登るほうだけがバリケードで塞がれている。

主人公「なんだ、これ……」

 主人公は再び進む先をみつめる。その先には、相変わらず誰もいない。

 主人公はふたたび銃をかかえてゆっくり歩き始める。

 そのとき、教室から再び何か物音が響き、急いで主人公は隠れる。そして、教室の中を覗き込む。

主人公「僕が……」

 そのさきには、主人公と上官がいまと違う服装で楽しそうに話している姿がある。

 主人公はふとつぶやく。

主人公「これは夢、なのか」

 主人公は首を振って遠くをみつめ、

主人公「ありえない」

 主人公はふたたび教室に振り返る。すると、そこには主人公と上官の姿はもうない。

 表情を曇らせた主人公は銃を抱えたまま、前に進む。すると、次の教室でも何かがぶつかる物音が聞こえた。主人公はゆっくりと教室を覗き込む。その先には、上官が机の上で眠りについていて、主人公がその隣で座り、その手を握っていた。

主人公「もう、助からないらしいね」

 そして、主人公はその手を離す。そして、立ち去っていく。

主人公「じゃあ、彼女はいったい……」

 そのとき、彼女の手がわずかに震えていた。立ち去った主人公に向かって手を伸ばしているように見えた。

 主人公は、わずかにためらったあと、その手に向かって教室のなかにはいりこむ。すると、そこはもぬけのからとなっている。

主人公「どうなってる……まさか」

 主人公はすぐさま、走り出していく。今度は、机と椅子のバリケードは変化していない。主人公は階段を駆け降りていく。そして、そこにもバリケードはなくなっていて、躊躇いながら階段を降りる。

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