ドラゴンよりもゴブリン

農作業が始まる。

俺は家庭菜園と小作農の二刀流だ。

今年は、一人前働けることを証明してもらえる食料を増やすことを目指したい。

今年も他の人たちより少し早く帰ることを許してくれた。余ったお肉を賄賂として渡したことがよかったのだろう。


農業が始まった日にあるイベントが起こった。

騎士団が来たのである。うちは公爵様の直轄領だったので公爵様の騎士団なのだろう。

モリーとフィンが無駄にはしゃいでいた。

基本,村人の人以外はこの村では寝泊まりできないのだ。冒険者も旅人も行商人も。村の外で寝てもらっている。

顔見知りの行商人は村長宅で止まっているとは聞いているが。


「なんで、騎士団がいるんだ?」


「後、村を3つぐらい超えた先にドラゴンが出たんだってよ!!」


「近いな。」


「すごいぜ!!俺も騎士になるぜ!!」


騎士団が泊まったせいで、村人たちの食料が少し減った。徴収というやつだろう。

帰りは、死んだドラゴンがを引き摺って帰ってきたので、初めてドラゴンを見れて感動した。


ーーーーーーーーーーーーーーー

レベルを上げたい。

来年には、俺は小作農を卒業したからだ。そのためには木を切り倒して農地を広くしたい。

木を一本取るのに1月は必要だ。根っこが一生取れない。まともな鋤が必要だ。

つまり、金と力が欲しいのだ。

だから、少し強い魔物を倒して強くなる。


「強い魔物と言っても狼だがな。稼げるし。」


街で一番高く売れたのが森狼の毛皮だ。

こいつなら何回か倒したことがあるし、程よく強いのでこいつをしばいていくことにする。

当分はまずい狼の肉だな。


俺はいつも通り棒に角ウサギの角を先につけた武器と街で買った皮の防具を着て森をうろつく。

俺は食べる分以外は倒さないようにしているが、それでも襲ってくるやつは倒すようにしている。やりすぎると、生態系崩れて、何が起こるかわからないし。

数匹のゴブリンと一匹の蛇を殺して、森の少し奥に行く。


「いた、いた。」


森狼は群れるが、たまに群れない個体もいる。

これを狙い打つ。まず、影から角ウサギの角を陰から投擲して、少しダメージ与えてから襲う。


「がァァっァァ!!」


「襲ってくるのは助かる。」


逃げる個体もいるので相手から襲ってくるのは助かる。

俺は、襲ってくる森狼の喉をスキルを使って一突きして殺す。


「慣れたもんだな。」


俺は蛇の死体と狼の死体と拾った木の実を持って帰る。

最近は1日に無理してでも多くの肉を食べるようにしている。

そうじゃないと肉を消費できないからだ。体も大きくなるし、別にいいだろ。


ーーーーーーー

日常を過ごしていき、平和な日々に少し異常な時が起こった。


「ゴブリンの群れができた?」

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