畑を広げたい
魔物が住んでいる森は不思議なもので春夏秋冬関係なく青色に茂っている。エルフの住んでいる森も噂では、そうらしい。
なので、村の奥の森は青々としているが、手前の木には葉っぱが落ちている。
カン!!カン!!
俺は今、斧で家の近くの木を切っている。木を切って家庭菜園を拡張して小作農を卒業するためだ。
「硬い!!」
強撃を使っても少ししか切れ込みが入らないため、1日に少ししか進めない。
斧の性能がしょばいのかこの世界の木が以上に硬いからか。どっちもだな。
これが終わったら、森で狩りしてから森の土を家庭菜園に運ぶ。豊かな土を植えたら土も豊かになるはずだ。
将来的には牛を2頭買いたいな。そしたら毎日牛乳が飲める。
鶏はいないらしいから卵は高級食材だ。コカトリスかバジリスクみたいなニワトリに似た奴らならいるらしいが。
「土地を持ったら、あの馬鹿二人でも雇ってやるか。どうせ行くところなんてなさそうだしな。」
冬で体寒いが食うもん食ってるので毎日活力的に動ける。
やっぱり、最初に危険を冒して正解だったな。
一週間使って、やっと木が切れた。
この木材は薪や柵造りに使おう。木の根っこを引き抜くには馬にこいつを引っ張ってもらうべきなんだが、そんなものはいない。なので、木の周りを自作した木のシャベル(鋤)で掘って少しずつ周りの根っこをぶちぶちに切っていく。
「よく働くなぁ。」
「遊ぼうぜ〜。」
モリーとフィンがきた。
「お前らは冒険者になるんだろ。じゃあ、木の棒でも振っとけよ。」
「嫌だぜ。めんどくせぇ。」
「強くなったら女子にモテるかもしれんぞ。」
「じゃあ、ジンはモテるのか?」
「それはないけど、何もしないよりはモテるかもしれないだろ。」
「でも、大体の大人達はゴブリンを倒したのは成人してからって聞くぜ。」
「だからだよ。周りよりすごいから女子が注目するんだろ。」
二人は顔を見合わせて
「「なるほど!!」」
よし、これで明日からこの二人に邪魔されずに済む。
次の日から二人は俺の仕事中に邪魔して勝負を仕掛けてきたが3日で飽きたようだ。
俺は雨だろうが、晴れだろうが関係なく休みなく働いて、気づけば春が来ていた。
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