第19話 恋人同士の大事なこと

「………ね…しおり…」


「ん~?どした~?」



 大学のテストも明け、久しぶりに栞とイチャイチャしてる時、私はあることを思い出していた。


「変なこと……聞いていい?」


「いいよ~。んじゃついでに休憩しますか~」


 私の息がまだ整っていない事を気遣ってくれた栞はリビングから水を持ってきてくれた。私はそれをぐびぐびと飲みながら話をする。


「あのさ、その……テクニックというか…」


「ほほう?」


「………女の子同士のコツとかあるの?」


「どしたの急に~。もしかして浮気か~?」


 私の唐突な質問に栞はニヤニヤしながら返してきた。めちゃくちゃ恥ずかしいが聞いておきたい話ではある。桜木さんを抜きにしても気になってはいたからだ。


「浮気とかって訳じゃないよ。ただその……たまには私がしてあげたいなって…」


「ふむふむ。ならば体に教えてあげよう」


「え?いやちょっと待って」


「例えば~紗奈ちゃんはここ弱いもんね~」


「だから待ってって……ゃ…」


「さらにグッグッってしてあげると~」


「お願いッ………止ま……ッ!!」



 変なスイッチが入った栞に体を好き放題され、休憩していたはずなのにいつの間にか再開してしまった。






「もぉ………待ってって…言ったじゃん…」


「ごめんごめん。でも分かったでしょ?」


「なにが……」


「わたしはさ、テクニックとかじゃなくて、紗奈の弱いとことか、好きなとことかをたくさん知ってるだけなんだよ」


「…………なんか恥ずかしいんだけど」


 上に乗っかりながら恥ずかしい事を囁いてくる栞にドキドキしてくる。こういう時だけ呼び捨てにしてくるのもズルい。


「それこそ最初の頃なんてお互いに手探りだったじゃん?痛くしちゃったり、スマホで調べたりさw」


「やっぱそうだよね…」


「紗奈がなんでこんなこと聞いてくるのかは聞かないでおくけど……わたしは紗奈の指好きだよ?細くて、優しくて、弱いとこ撫で撫でしてくれて、めっちゃ気持ちいもん」


「だから……恥ずかしいって……」


「つまりね、コミュニケーションってわけ。相手のことを考えて触れ合えば、自然と上手になってくるよ」


「………キメ顔やめて」


 良いこと言った風にキメ顔してる栞を上から押し退け、そのまま押し倒してさっきとは逆の体制になった。


「………じゃあ次は私がやるから」


「……お手柔らかに」



 しばらくしていなかったということもあり、私達はお互いが満足するまで何回も攻守交代し、たくさんイチャイチャしたのでした。

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