第18話 好きだからこその辛さ
とある日の放課後。絶賛テスト期間中のわたしは瞳ちゃんに頼み込んで勉強をみて貰っている。
「そうそう…うん。完璧」
「やったぁ……解けたぁ………」
瞳ちゃんの教え方が良いからわたしは苦手な数学の問題をなんとか解けるようになっていた。
ちなみにどうして瞳ちゃんに教えてもらっているのかというと……
「せーーんぱい!勉強教えてくーださい!」
「………イヤです」
「なぁ!?」
桜木先輩に柊会長が嫉妬してわたしに弄られ続けたその翌日。意気揚々とお願いしたらフラれてしまった。
まぁ受験生だし、仕方がないんだけど……流石にちょっと凹んだ。
なので隣のクラスにまで乗り込んで瞳ちゃんに声をかけたというわけです。
こうしてふたりで生徒会室で勉強することになった。柊会長はなにやら忙しいみたいで、テスト期間は顔を出さないそうだ。
一段落ついたので休憩にうつると、それを見計らって瞳ちゃんが尋ねてきた。
「あの……さ」
「うん。どした?」
「柊会長と…そういう関係なの?」
「……だったら嬉しいんだけどね」
その質問にわたしは照れながらも首を横に振る。わたしの答えに瞳ちゃんは急に焦りだし、頭を下げてきた。
「ごめんなさい!てっきり……」
「いいのいいの!それくらいラブラブに見えてるってことだもんね!」
自分で言ってて辛くなってくる。柊会長にそんな想いはない。本人もそう言ってた。だからこそこの恋は実らないものなのだ。
嫉妬も、ご褒美も、気の迷いだろう。そう考えないと本当に勘違いしちゃいそうになる。
「……よし!再開しようか!」
少し暗くなった雰囲気を誤魔化すために明るく振る舞う。瞳ちゃんもこれ以上の言及はよくないと思ってくれたのか、この話題に触れることはなかった。
そんな瞳ちゃんの協力もあってか、わたしはこの期末テストを見事に赤点を2つだけに抑えることが出来ましたとさ。
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