第6話 戦雲

信玄からの書状が届いたあと上州の各地侍たちは即座に居城の準備を整えた。

いくら敵の目標が業正のいる箕輪城のみだとしても、どこまで攻め上るのかわからないからである。


事実、信濃国では当初の目標以上に攻め上り村上氏に撃退されているのである。


「城門!吊り天井!塀!堀!全てに怠りがないか何重にも確認せよ!でなければ負けると思え!」「殿!箕輪城から鉄砲三千丁のご支援です。」

「おお!これはありがたい。感謝しますと業正殿に伝えよ!」


一方、箕輪城。


「佐竹義重様の兵、二千、只今到着いたしました。」

「おお。そうか。ありがたいことだのぅ。伊勢守殿、佐竹殿の兵はお願いしますぞ。」

「承知いたしました。」


躑躅ヶ崎。


「このたびの出陣により甲斐の国は富国となる!自身の国がさらに発展するよい機会じゃ!責任は一兵卒に至るまで重大なものとなる。励めっ!」


武田信玄は獅子吼する。


長野、武田の決戦はすぐそこまで来ていた。





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