第11話一途に来たのに苦しみが
私は小学生時代に矛盾を感じた。
いや、矛盾だなんて言葉は知らない。
けれど、人とは違う違和感をはっきりと認識していた。
中学に入り、様々な公演を受けるようになった。そして、やっと知れた。ひとりじゃなかったということを。
区別された存在であるという事。
数人は実際にいるということ。
孤立感は無くなった。
けれど、日常を見ると孤独感は消えなかった。
そして、ある日そこに拍車をかける出来事があった。
放課後。心愛といつも通り井戸端会議をしていたのだが、その時に。
ある相談を持ちかけてきた。
そして、私の色々な部分はプチット音を立てて切れていく。
「私好きな人が出来たの。」
「え、へへへ、そうなの。誰なの?」
そこで口にされたのはクラスメイトの1人の男子。決した気にかける程の男でないと思っていたのだが。
心の中で、悔恨が大河を作り、憎悪という土砂が混ざる。結果として、大洪水を起こしている。
あいつのどこが。どこが。
それから私は彼に執着するようになった。
監視カメラの擬人化のように。
まず、連絡物を配る配布係である事を利用し、彼の私物を物色する。
字は?普通。プリントは?ファイル止め。少し荒いがほかの男子に比べるとまだマシだ。
服装は?不器用な色使いではあるが、それほどダメな所は無いように見える。
いわゆる、普通のやつだ。
しかしこれが尚更憎く、悔しさを倍増させた
こんな普通のやつより
「私を見てほしい。」
結果として私ははっきりとものを言えないものでさっさと彼女は私のものではなくなった。
ただの友達に変わった。
ただ、一方的に思い続けた。
それから時は流れていった。
心愛との関係は継続したままであった。
中学、高校とそのまま。
そして、佐藤と出会ったのもまたこの時期だった。
お互い腹の中に隠し持った者があるもの同士惹かれあったのかもしれない。
僕が愛した君は今 5の遣い @cat7fish3
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