第18話ボニーのポテンシャル

完成よ!

乾いた後、思っていたよりインクで黒ずんでいたときはどうしようかと思ったけど「漂白すればいいのですよね。染み抜きと一緒です。」と言ってボニーが魔法で真っ白にしたの。


さすが、お母様が選んだ専属メイド。ポテンシャルをなめていたわ。


とにかく、ボニーとジルのおかげで、思ってたより短い時間で大量に出来上がりよ。クオリティは、まあ、レターではないわね。はがき、いや、ポストカードになってしまったけど、この押し花が、すべてをごまかしてくれているように感じるわ。


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大量にできたからと、メッセージを書きみんなに配ったら、大好評。


お兄様はその手触りにが気になるのか、ずっとなでなでしている。


お母様は、「まあ、私の娘は天使で天才ね。」と手放しでほめてくださったのよね。むふふ。



お父様は「家宝にする」と保護魔法をかけていたわ。ラミネートみたいね。



ボニーは、なぜか号泣していたし、あ、もちろんセルジュやジルにも渡したわ。



さて、悩んだ服装だけど、領地に向かうとき用には動きやすいようにワンピースを用意してもらい、ノエル様にお会いできたらのドレスは、エメラルドグリーン色にしたの。お母さまの瞳の色よ。私に似合わないわけないわ。第一印象は完璧。お父様もきっと喜ぶし。



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出発の朝。


「ああ、今からでもお茶会なんかキャンセルして、私も付いて行こうかしら。」

そう、お母様は、侯爵家の直営店のお得意様夫人たちとお茶会があるということで、今回はお留守番。


「はは、レティ、いつも頼りにしているよ。どこにいても君を想っている。」


おっふ、お父様、朝から砂糖を吐きそうです。


でも、夫婦仲の良さが、子どもに与えるプラスの影響は計り知れないから、よいことよね。

あ、お兄様、蝶を追いかけてないで、早くお戻りになって。出発ですわよ。



とっても心配そうなお母様に笑顔で手を振って、いざ、ノエル様のもと、もとい、領地へ出発よ。




それにしても、すごいわね、邸から結構遠ざかったのに、使用人たちのお辞儀が崩れていないわ。さすが、侯爵家。高級旅館もびっくりなお見送りね。美人女将と支配人がまだ手を振っているから中に入られないのかしら。よっぽど寂しいのね。あら、私も寂しくなってきたわ。無事に帰ってきますわお母様、セルジュ。



それにしても、馬車で5日か。体力よりもお尻が心配だわ。そうね、お父様のお膝いう最終手段が私にはあるから、大丈夫よ。

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