第6話「新しい家族になりたい」

6話「新しい家族になりたい」


守里の家



ガチャ




結真: あの〜お邪魔します。




そう言って結真が玄関に入ると、守里が奥からやってきた。




守里: えーっとまぁ、とりあえず皆さん入ってください。



結真: はい…




守里の後ろに結真、美月、桜、蓮花がついて行く。




守里: どうぞ…



結真: ありがとう。




守里に勧められて、4姉妹はダイニングテーブルに座った。


守里の向かい側に4人が並んで座る。



流石に気まずいな笑、なんか話出さないと…




守里: うーんと、まず今さっき、かおりさんから聞いたと思うんですけど、僕はかおりさんと再婚した設楽景信の息子の"森崎守里もりさき しゅり"といいます。よろしくお願いします。



結真: 守里君よろしくね。じゃあ、私は"白城結真しらき ゆま"、4姉妹の長女です。伊衛能大学の2年生です。




結真さんか……めちゃくちゃ美人。


肌白いし、なんか女神様みたいだ。


こんな人が家族になるなんて信じられないな。




結真: ちなみに守里君の歳は?



守里: 僕は今年17の代の16歳で、伊衛能高校の2年生です。



結真: それじゃあ、美月の同級生だね。



守里: えっと、美月さんというのは…




僕がそう言うと、結真さんの隣に座っている、目が大きくて、これまた超絶美人な人が手を挙げた。




美月: あ、はい。私です。次女の"白城美月しらき みつき"です。明日から伊衛能高校に転校することになっているので、よろしくお願いします。



守里: ってことは、僕のクラスに来る転校生っていうのは、美月さんのことだったんですね。こちらこそ、よろしくお願いします。



美月: (同じクラスか…)



結真: 美月のことよろしくね。



守里: はい!分からないことがあったら聞いてください。



結真: フフ、頼もしいわね。じゃあ次、桜、挨拶して。




結真さんがそう言うと、美月さんの隣に座る小顔で、和風美人って感じの人が、小さな声で話し始めた。




桜: あ、あの、三女の"白城桜しらき さくら"です…明日から伊衛能高校に入学します。よろしくお願いします…



守里: 桜さんですね。よろしくお願いします。



桜: は、はい…こちらこそ…



結真: じゃ、最後、蓮花!




守里は、まだ挨拶をしていない子に目を向ける。




蓮花: 四女の"白城蓮花しらき れんか"です。伊衛能中学校の3年です。よろしくお願いします。




この子、2個下にしては大人っぽいな。


しかも、えげつなく美人だし。




守里: 蓮花さん、よろしくお願いします。では、皆さんの部屋に行きましょうか。



結真: はい!お願いします。でもその前に、私達家族なんだよね。なら敬語辞めない?お互いにさ。



守里: 皆さんが良いのであれば…



結真: どうみんな?



美月: 問題ないよ!



桜: 大丈夫…



蓮花: …蓮花も。



結真: ということで、守里、私の事はお姉ちゃんって呼んでね!



守里: 分かりました…いや、分かったよ、結真姉さん!ニコッ



守里は笑顔で結真に答える。




結真: (この子可愛い…イケメンでこの笑顔は反則だわ笑)



守里: じゃあついて来てね。




そう言って守里はリビングを出る。


桜と美月が後ろに続く。




結真: 蓮花どうしたの?いつもの元気がないけど。緊張してる?



蓮花: 結真お姉ちゃん…まだちょっと怖くて。



結真: 守里は、あの男共とは多分、違うよ。徐々に慣れてこうね。



蓮花: うん…



結真: 行こ!蓮花。




結真は蓮花の手を繋いで、守里達の後を追いかけて行った。





守里: この1番奥の部屋が僕の部屋なんだけど、その手前にちょうど4つ部屋があるから、好きな部屋を選んでね。



結真: 私ここ!



蓮花: 蓮花は結真お姉ちゃんの隣がいい。



美月: なら私はこの部屋かな。



桜: さくはここだ。



守里: よし決まったね。なら、それぞれ荷解きしといて。僕は晩ご飯作っとくから。



結真: ありがとう。じゃあ、みんなそれぞれやろっか。



美月 桜 蓮花: はーい




そう言って、みんなは部屋に入っていった。



さてと、今日から大変だな。


でもこれまでは、この無駄に広い家で1人だったから、なんか嬉しいかも。



守里は新たに家族ができたことに喜びを覚えながら、キッチンへ向かった。



◇◇◇



桜の部屋



守里君か…


さくのお兄ちゃんなんだよね。


仲良くなりたいな〜


でも今さっきも緊張して、あんまり喋れなかった。


顔赤くなってなかったかな…


よし、これからお兄ちゃんと仲良くなれるように頑張ろう!!



◇◇◇



蓮花の部屋



やっぱり怖いな…


守里君が、前に家に来た男の人達とは違うってことは分かってるのに…


お母さんとお父さんとお姉ちゃん達で暮らしてたあの頃に戻りたいよ…グスン



◇◇◇



美月の部屋



ここが私の部屋か…


広いな〜前の家とは大違い。


今日引っ越してきて、もう明日には学校か…


クラスに馴染めるかな〜


目立たないように過ごせるかな…


頑張ろ…



◇◇◇



結真の部屋



守里、可愛かったな〜


お姉ちゃんとして守里に甘えて貰えるように私も頑張らないとだね。


桜は大丈夫そうだけど…問題は蓮花か。


早く仲良くなれたらいいんだけど。


美月も心配だったけど…今のところ変わった様子はないし。


お姉ちゃんとして、私がみんなを見てあげないと!!


よし!さっさと荷解き終わらせて、守里の手伝いに行こう!!


頑張れ私!



◇◇◇



守里: ふぅ、こんなもんかな。




ガチャ




結真: あら、もう晩ご飯できたの?ごめんね遅くなっちゃって。




ちょうど守里が料理をテーブルに乗せ終えた時に結真がリビングに来た。




守里: いえいえ、引っ越しで大変だったんですから、ゆっくりしていて良いですよ笑



結真: フフ、ありがとね。あと敬語に戻ってるよ。



守里: あ、ごめんなさい…いやごめん。まだ慣れなくて。



結真: 徐々にね。でも次から敬語使ったら、お仕置ね!




そう言って結真はウィンクをした。




守里: か、可愛い…



結真: え…/// ありがとう。



守里: あの〜皆さんを呼んできてもらっても良いですか?



結真: うん。ってかまた敬語〜



守里: あ…



結真: もう、後からお仕置よ。




少し経って…



ガチャ




結真: みんなを呼んできたよ!



守里: ありがとう、結真姉さん。じゃあみんな座って。



美月: はーい




テーブルに並ぶ数々の料理を見る。




桜: すごっ!



美月: 本当にこれ全部、守里君が作ったの?



守里: うん、今日は簡単なものしか出来なかったけど、みんなのお口に合えばいいな。



結真: 大丈夫だって!



守里: 笑、よし、食べようか。いただきます。



結真 美月 桜 蓮花: いただきます!




守里の作った料理をそれぞれが口に運ぶ。


料理を食べた4人の動きが止まる。




守里: ど、どうかな?



結真 美月 桜 蓮花: うまい!!!!!!



結真: これ美味しすぎるよ!守里!!



美月: 本当に美味しい。この時間でこの数の料理。それにここまで美味しい料理を作るなんて…守里君もう料理屋さん開いたら?笑



守里: いやいや、そんなことないよ。ただ家で1人のことが多かったから。自炊する機会も多くてね。喜んで貰えたなら、よかった。



結真: 桜も美味しいよね?



桜: うん、美味しい!守里君凄いね。



守里: ありがとう笑、桜さん。



桜: ////



桜の顔が真っ赤に染まる。



結真: あらあら笑。蓮花美味しい?



蓮花: うん…でもお母さんの料理の方が美味しかったもん。



結真: 蓮花…



守里: そっか…これから蓮花ちゃんに美味しいって言って貰えるように頑張るよ。



美月: ねぇ守里君!これ何?



守里: あ、それはね〜




そんな感じで、初めての4人での食事は進み…




守里: そういえば、僕のことを管理人さんとか言ってたけど、みんなはこの家に来ることはどんな感じで聞いてたの?



結真: う~ん、今年の二月ぐらいかな…桜が受験の申し込みをする前に、引っ越しをするってお母さんに聞いてね。桜はここの近くの能高を受験することになって。



守里: 桜さん、急に言われて大変だったね。



桜: うん…でもどうにか受かることができたし、よかった。



結真: その後は引っ越しの準備をしつつ、美月の転校の手続きをしてって感じかな。でも私と蓮花は転校とかしなくても良かったから、そこまで慌ててたわけじゃなかったかな。



守里: 確かに能中も能大も、ここから通える距離だからね。



結真: で、引っ越し直前になって、引っ越し先の詳しい住所を知らないことに気づいてね笑。お母さんに聞こうと思ったら、お母さんはもう景信さんの所に行っちゃったみたいで。



美月: あの時はびっくりしたよ笑。朝起きたら、お母さんいないんだもん。



結真: どうしようって思って、とりあえずお母さんの部屋に行ってみたら、手紙が置いてあってね。そこに、ここの住所と、この家に人がいるって書いてあったの。



守里: それでみんなは、その人が管理人さんだと思って、僕を管理人さんだと勘違いしたんだね。



結真: そういうこと!!いや〜守里が管理人じゃないですって言って、家に入っていった時は、もうわけが分からなくて困ったんだよ笑



守里: まぁ僕の家だから笑…



結真: 笑




そして、全員が食べ終わった頃…




守里: もうお風呂も沸いてるから、先に入って良いよ。



美月: はーい!じゃあ私、1番風呂もらいまーす。



守里: どうぞ笑、洗い物もしないとだし、僕が最後に入るから。



結真: 守里は私達の残り湯に浸かりたいのかしら笑



守里: ///え…そんなわけないでしょ!!



結真: フフフ笑、照れちゃって、分かってるわよ。私も洗い物手伝うからね。



守里: ありがとう。



桜: じゃあ私は部屋に戻ってるね。



蓮花: 蓮花も。




そう言って2人は部屋に戻り、美月はお風呂へと向かった。




結真: ねぇ守里?




洗い物をしていると、結真姉さんが話しかけてきた。




守里: なに?結真姉さん。



結真: 蓮花のことなんだけど…まだ緊張してるみたいでね。もしかしたら守里に迷惑かけちゃうかもだけど。あの子も良い子だから…その…



守里: 大丈夫、分かってるから。僕も早く蓮花さんに家族として認めて貰えるように、頑張るよ。



結真: ありがとうね。新しい家族が守里で良かったわ笑



守里: 僕も新しい家族がみんなで良かった。



結真: 笑、ありがとう。




そして、洗い物も終わり、全員がお風呂に入って、みんな自分の部屋に入っていった。




守里: 今日は本当に大変だったな〜防衛団の話に、新しい家族。平和に暮らせるといいな。




あと家族をちゃんと守らないと…



守里はこれからの決意を胸に瞼を閉じた。





to be continued

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