第51話 珍しく不機嫌なサンドラ
ラ「やあサンドラ」
サ「本日も頑張ってください」
ラ「へいへーい」
またいつも通りの日常が始まる。
まあ始まろうが終わろうが僕にはほとんど影響のないことばかりだけど。
サ「ではこちらをお願いしますね」
サンドラは僕の机の上に置いてある大量の書類を指差しながら言った。
ラ「なんか多くね?」
サ「気のせいですよ」
ラ「そうですか」
サ「ではこれで失礼します」
サンドラは部屋から出ていった。
ちょっと不機嫌なサンドラを横目にいつも通り仕事をした。
ラ「後少しで終わりか〜」
ぼーっと仕事をしながら勇者について色々と考えていたらすぐさま時間が経った。
サ「失礼します」
ラ「今日は...ないだろうな?」
僕は警戒しながらサンドラを見た。
正直この後ルルと食事に行くから残業は嫌だ。
というか残業の時点で行けなくなる。
サ「別に今日はないですよ」
ラ「珍しいな。随分とあっさり言うんのかいな」
サ「まあなんだっていいでしょう」
サンドラは朝に比べるとどんどん不機嫌になってる気がする。
ラ「で、その不機嫌なあんたはどうしたんだ?」
ま、暇だしサンドラの愚痴でも多少は聞いてやらなくちゃな。
サ「はあ、やっぱり態度とかに出てましたか。実はですね今日お見合いをすることになっているんですよ」
ラ「お見合い?」
サ「親が昔助けられたからどうしてもと言われたので」
ラ「で、あんたは嫌なのか」
サ「もちろんですよ。そんなたまたまお見合いで会った人と意気投合するわけないんですから。私はじっくり人を見ていたいんです」
ラ「なんか、その言い方は気持ち悪いな」
サ「ラドさんのように無神経よりはマシでしょうけどね」
ラ「失礼なやつだな〜、というか嫌なら断れば?」
サ「私だって断りたかったんですけど、昔の恩がどうたらこうたらと言って、断れば圧力をかけられるとか言われるんですよ」
ラ「そりゃ面倒だこと」
サ「で魔王様、時に部下を助けるのは大事だと思いません?」
ラ「大事だね〜」
サ「というわけでその圧力をかけてくる貴族を没落させてくれません?」
ラ「...まあ気が乗ればな」
サンドラはどでかいため息をついて、
サ「相談したらもしかしたら解決してくれるんじゃないかとラドさんに期待したんですけどねー」
ラ「あんたの縁談とかどうだっていいしな、結婚するなら好きにすれば」
サンドラが結婚かあ。
どうせ離婚するだろ笑笑。
サ「そもそも断れないお見合いってお見合いじゃないですよね」
ラ「まったく、ずっとぐちぐち言ってたってしょうがないだろ」
サ「まあそうですけど」
ラ「そもそもサンドラならどうせ離婚するんだから何も気にすることないだろ」
サ「そりゃしますけど、でも少しでも結婚生活をするのが嫌なんですよ」
ラ「わがままだろ」
サ「いやいや私の意志じゃないのにさせられるなんてわがままとは言いませんよ。そもそも結婚したら間違いなく夜のお相手もさせられるんですよ」
ラ「なーにサンドラ、見た目は良いから」
サ「そりゃ見た目は完璧ですし、体にも自信はあります。でもそういう問題じゃないですよ。私は決めた相手意外は絶対嫌なんです」
ラ「そんなに嫌なのか。お相手どこだよ」
サ「ズロウ・サクラクですよ」
ハルトルのそっき...近くにいる人の兄か弟か。
ラ「まあまあ、とにかく会ったら案外息が合うかもしれないだろ」
サ「だといいんですけどね」
そんなことを言いあっていたら時間になった。
ラ「ではサンドラ、頑張れ。何を頑張るかはよくわからないけどな」
サ「まあ頑張りますよ。私も何を頑張ればいいかわかりませんけどね」
そうして僕は昨日の服屋に向かった。
ラ「おーい店主、昨日の店主よ」
店「あーあんたか。ちゃんとできてるぜ」
僕はそう言われてワンピースを見せてもらった。
まあ見せてもらったところで別に僕が着るわけじゃないから知らんけどさ。
ラ「ありがとう。では早速っとその前に金だったな」
店「やっぱり100はおもいなあ。まあ数えるから少し待ってろ」
そうしてしっかり100万あることを数え終わった店主は。
店「お買い上げありがとうな。しかし100万をポンと出すなんてすごいな」
ラ「そりゃどーも、また頼むことがあるかもしれんないから、その時は頼みますよ」
店「いつでもこい」
そう言って僕は家に帰ることにした。
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