第49話 むっつりルルさんと綺麗なワンピース

ラ「ただいまー」

ル「おかえりー」

ルルがソファーの上でくつろいでいた。

僕の帰りの挨拶に返してくれるルル。

ラ「明日暇か?」

ル「私は毎日暇」

ラ「そう」

よし、ルルと行くか。

あとは服のサイズを計るために今計測しておくか。

ラ「ルルちょっとここに立って」

ル「?」

ルルはよくわからない顔をしながら立った。

ラ「よいしょっと」

僕はしゃがみ込んでルルの踵に物差しを当てた。

まあ体触るけどこの世界にパワハラとかセクハラとかないしいいよな。

ル「えっと何してますか?」

ラ「身長を測っている」

測り終えたので次に…肩幅、袖丈、裄丈、着丈、胴囲(ウエスト)、股下、総丈を測った。

ラ「はい、どーもじゃあ次は腰囲ね」

ル「え?」

ルルは顔を赤めた。

ル「い、いやーそこまでは」

ラ「何言ってんだよ。全部測らなくちゃわからないだろ。というかルルって恥に関することなら感情が随分と顔に出るんだな笑」

僕はそう言いながら腰囲(ヒップ)を測った。

ル「…」

ラ「ま、こっちはそこまで気にはならんだろ」

ル「たしかに、そんなに気にならなかった。えっと残りは…」

ラ「胸囲だな」

ル「あの、自分で測りますよ」

ラ「ダメだ、自分で測れるわけがなかろう。それに一応聞いておくがお前は何を妄想しているんだ?ただ測っているだけではないか」

ル「それは…」

ラ「別にむっつりという人もいるんだ。そんなに気にすることはないぜー?」

そういうとルルはこっちに向かってきて、僕の体をポコポコ叩いた。

ラ「なるほど、冷静さも失うのか」

僕は近くに来たルルに抱きついた。

ル「はぅ」

ラ「よいしょっと」

そして胸囲を測った。

ラ「ただ抱きついただけで何をしてるんだか」

ル「...」

おっと怒ってそう。

ラ「さて...今日は予定があるから僕はもう行かせていただこう。さらば!」

よし、逃げよう。

僕はそうして怒ったルルを部屋に残して出かけた。




ラ「ふむ、ここでいいか」

一軒目はとりあえずルルの服を買うためにここでいいか。

扉を開けるとなかなかに多くのおしゃれな服があった。

そこには数着ではあるがドレスやワンピースも売っていた。

ふーむ、ドレスはパーティーとかだしここは無難にワンピースでいいか。

ラ「おーい店主」

店「なんだ?」

僕が店主と言うと店の奥から超絶堅いの良いおじさんが出てきた。

ラ「ここで服を買いたいんだ」

店「そうか、どんなのが良いんだ?」

ラ「このサイズの物はないか?なければそのサイズに縫い直してくれないでしょうか?」

店「別にそれはいいが、そうかちょっと待ってくれ」そういうと色々と服を探す店主。

そして、

店「このサイズの物はねえな。ただこれなら縫い直せばそのサイズに近くなるから問題はない。ただこのワンピースは高いうえに、縫い直しとなるとその分値段は多少上がるがな」

店主は綺麗なワンピースを見せてそう言った。

ラ「なーに構わないさ。それよりも良いワンピースだね」

店「だろ?これは結構気に入ってるんだ。ま、値が値だから誰も手を出さんが」

ラ「で、その縫い直しはいつまでにできるんだ?」

店「うーん三日とかか?」

ラ「三日か...一日というか明日の夕方までに完成できないか?」

店「そうは言われてもなあ、他の客の注文もあるしそうあんたばかり優先するわけには」

他で探すのもありだが、正直このワンピースはおしゃれだから是非買いたい。

別に僕が着るもんじゃないけど。

ラ「うーむ、そういえばこのワンピースと縫い直しでいくらだ?」

店「まあ4、50万あたりか?そこらへんは最後に精算じゃないとわからんけど」

ラ「そうか...」

こういうのは金の力でなんとかなるでしょ。

ラ「明日の夕方までにできたら、100万払おう」

店「な、倍も払ってくれるのか」

店主は少し動揺した後、

店「よし、正直娘に色々と金もかかるしここはその提案乗らしてもらおう」

へー結婚してたのか。

ラ「契約成立だな」

店「あんた相当若そうなのに随分と太っ腹だな。もう恋人でも見つけられたのか?」

ラ「いいや、ただただ全て気分で決めただけ」

店「俺からいうのもあれだが、後悔はしねえか?」

ラ「ふっ」

僕は少し笑い、

ラ「後悔したところで何も進まないからこれからは一切することはないね」

店「肝が立ってんな!」

そう言われて僕は店を出た。




シュテルクストに変装した後次は下町に来ていた。

その次のお店は下町にあるお店。

シ「おい店主、前の注文通りたくさんの服を仕入れることはできたんだろうな」

店「あ?ああ、あんたか。約束通りたくさんの服を用意しておいたぞ」

シ「どこに置いた?」

店「こっちだ」

店の奥に大量に置いてある服。

これだけで埋まりそうってぐらいあった。

シ「助かった。ほれ」

僕は店主に金の入った袋を投げた。

シ「それは代金だ。少しばかしだが多く入れておいてやったそ」

店「そうか」

店主はニヤニヤしながら袋を見た。

僕はアーティファクトに大量の服を詰めた。

まだまだ入りそうだな。

もしかして無限か?

いつか研究してみたいものだな。

店「すごいもん持ってるな。ま、深掘りはせえへんけど」

シ「そのほうがお互いのためだ」

僕はポッケにしまい、

シ「もしかしたらまたいつかくる。では」

店「またな」

僕は大量の服を持ちハドのところに向かった。

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