第48話 ダルシア・ダオー
正直に言って暇。
あれから時間が経ち、終業時間まで残り一時間だった。
もう眠くないからマジでやることない。
ラ「んー」
どーしたもんかなー。
そんな考えているような考えていないよう脳死をしていたら
たまにはかっこいい上司にでもなるか。
僕はそんなわけで魔王室を出てアムの仕事場、財務室に向かった。
ラい「着いた、着いた」
休みといっても、誰かしら二人は常駐しているため中に誰かいる。
ラ「失礼、入ってもよろしいでしょうか」
?「誰ですかー?」
聞き覚えのある声がする。
ラ「僕ですよ、だだーくん」
ダ「ん?」
だだーが出てきた。
ダ「!」
ラ「おいおい、そんなにビビるなって」
?「ダオーさんどなたですか?」
ラ「この人は君の部下?」
ダ「ええ、まあそうですね」
?「誰なんですか、この人」
僕は指を刺されて、言われた。
ダ「お、おい。やめなさい」
?「この人偉いんですか?」
僕はこの女の指を掴み
ラ「僕がどんな人だったとしてもにいきなり失礼な態度を取るのは違う気はするけどね」
一瞬強く握って放した。
?「痛っ!何すんだ!」
ラ「おやおや失礼、僕はてっきり指を握って欲しいのかと」
?「んなわけねえだろ!殺すぞ」
こいつすげー荒れてるな。
しかもめちゃくちゃ短気だし。
ラ「とにかく僕は君に用はないんだ。そこをどいてくれないかな?」
?「そもそもお前みたいなよくわからんやつ入れるわけないだろ」
喧嘩腰で話しかけてきた。
ラ「魔王でもか?」
?「じゃあその魔王様がなんのようですかい?」
ラ「なーにアムの仕事をしてやろうと思ってな」
?「本当に魔王だとしてお前みたいなやつがアム様の仕事をできるか!」
ラ「確かにこの会社の誰よりも若いけど一応TOPなんでね、全ての仕事は一通りできるんだよ」
?「じゃあ見せてもらいましょうか」
ラ「いいだろう」
ダ「ちょっ、二人とも、、、」
僕は笑いながら、その女は憎み顔をしながら言い合った。
というわけで僕はこの女に仕事での格の違いを見せた。
ラ「そもそも仕事自体単純だからな〜」
あの女はいつのまにか消えていた。
ラ「あの喧嘩腰はむしろ見習いたいかもな」
ダ「あはは...」
ラ「あっそうだ。ダダー、あんたにこれをあげよう」
僕は食事付きのペアチケットをダルシアに渡した。
ダ「えっと、これなんでしょうか」
ラ「なーにたまたまチケットが当たったからアムと一緒に行けばいいと行ってるんだよ。僕が行ってもいいけど君のほうが今はお似合いだしな」
ダ「...もしかして気づいてます?」
ラ「もちろん。わかりやすいから他の人も気づいているんじゃないか?」
ダ「本人にバレてなきゃいいけど」
ラ「大丈夫だろ」
あいつ鈍感そうだしな。
ダ「でもアムさんのことだから彼氏とかいそうですし」
まあ今の時期に彼氏は居たって言ってたな。
いや昨日までか。
ラ「大丈夫、大丈夫。多分今落ち込んでる気がするからなんとかなるさ。それに挑戦していかないと始まらないだろ?」
ダ「!。そうですね、ありがとうございます」
ラ「にしても前とは随分変わったなー。前なんて敵対心マシマシだったのに」
ダ「あの頃からは多少は変わりましたよ...。もうちょっと人をよく見るとか色々」
ラ「ま、頑張りなされ〜」
僕は魔王室に向かった。
定時まであと少し…!
そんなことを考えていたら、
ダ「失礼します。ダルシアです」
だだーか、どうしたんだろうか。
ラ「どうぞー」
ダ「ありがとうございます」
ラ「で、どうしたの?」
ダ「失礼な話ですが、実は先ほどもらったチケットを返しにこようと思いましてね」
ラ「あれ、迷惑だったか」
ダ「いえ、そういうわけではないんですけど。ただこういうのって自分から出したくて」
ラ「そう、ならかえしてもらおうかな」
自分でやりたいって気持ちがあるんだろうな。
ダ「ですけど、魔王様のおかげで勇気が出ました」
ラ「役に立ったなら良かったよ」
そうしてだだーは帰って行った。
僕の手元にはペアチケットが残っていた。
『いらないから押し付けた』、なんて言えないよなあ。
しょうがない、自分で使うか。
と言っても明日だから早いうちに決めないと。
魔王軍メンバーは…ま、多分忙しいか。
オムライスも明日は居ない言ってたしな。
ま、ルルと行くか。
そんなわけで時間になったため、家に帰った。
と、忘れてた。
僕は服屋を色々と見て周りの良さげなお店をピックアップしてから家に帰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます