第46話 みんなの思う勇者

ラ「なあルル、勇者についてどうおもう?」

ル「また急ですね」

ラ「まあ僕は急な話しかしない奴だからな。で人間のお前からして勇者ってどう思う?」

ルルは少し考えて口を開いた。

ル「私自身が特殊な人間でしたからあまり参考にならないかもしれないけど、そんな私でも勇者はみんなの憧れ…正義のヒーローって聞きましたね」

ラ「正義のヒーローねえ」

僕の元居た世界なら魔王って悪のイメージあるけどこの世界の魔王…というか魔族ってただの種族の違いなだけでちゃんと関わりはあるしな。

ステンド王国は別として。

ル「でもどうして急に勇者なんか聞くの?」

ラ「いやあ、なんかステンド王国が勇者召喚してさ」

ル「へーそれはやばいことで」

ラ「そそ、やばいらしいんだよ。ああこのこと誰にも言うなよ」

ル「私にとってはどうでもいいことなので忘れますよ」

ラ「勇者忘れるってすげーな」

ル「とりあえずこれどうぞ」

そう言われて出される食事。

ラ「どーもー」

ルルでさえ知っているってことは知らねえやつはいないんだろうな。

てことは魔王が死ぬって御伽話も知ってるのかな。

そうなると面倒すぎる。




サイエンの格好をした僕はドハのいる研究所に着いた。

あいつらを探していると

サ「こやつらまだ寝ていたのかl

僕はシレの犬耳とラミの長い耳を引っ張ってドハに投げた。

…こいつら起きねえ。

いいだろう。

僕は一旦外に行き花を取ってきた。

サ「さて」

あの三人から少し距離を取り、僕は魔法で鼻と耳と手に氷を張り、メガネの上に被せられるゴーグルを作った。

そして僕は花を絞りガラス瓶に入れた。入れている最中に

シ「なんだー!この匂い!」

犬の嗅覚はやはり強く刺激臭のやばい匂いにいち早く気づいた。

サ「おーシレ良かったじゃないか。先に起きれて」

そんなことを言っている隙にシレはどこかに行った。

とりあえずフタをした。

そして僕は水を作った。

この匂いは水に吸収されやすいからね。

とりあえずこの水を外に捨てた。

さあてさあて

僕はこの二人の近くで蓋を開けた。

すると一瞬で

ド「だーーーー!」

ラ「なーーーー!」

二人は勢いよく起きた。

ド「なんだこの匂い」

サ「やっと起きたか」

ド「おい、ジジイ。てめえの仕業か」

サ「こりゃ兵器としても使えそうだな」

ド「いいから早く締めろ!目も多少痛え」

僕は蓋をして水を作り上げた。

花を絞っただけでこれとは。

異世界とか恐ろしいな。

ラ「久々のまともな睡眠だったの目覚めが」

ラミはげっそりしていた。

サ「すまん。すまん」

ラ「あれそう言えばシレはどこに行きました?」

サ「外の新鮮な空気でも吸いに行ったんじゃないか?とりあえずお前ら仕事をするぞ」

ド「するかー」

ラ「私はシレを探してきますね」

僕は水を捨ててドハと整理をしようということになった。

本棚をいじりながら雑談程度に勇者のことを聞いてみた。

サ「なあドハ、お前って勇者についてどう思う?」

ド「なんだ急に。まあ勇者といえばあれだろ。異世界の人間を召喚した時に低確率で恐ろしい強さを持っていると言われているやつだろ」

サ「そうそう、それそれ」

ド「でも俺は勇者についてはあんまり知らねえな」

サ「やはりそうか」

ド「でも急にどうしたんだ?」

サ「実はステンド王国が勇者召喚をしたみたいでな」

ド「まじなのか!?」

サ「ああ、まじだけど」

なぜかドハがにやけていた。

サ「何をにやけておるんだ」

ド「だって勇者召喚ってことは異世界の人間ってことだろ」

サ「まあそうだな」

ド「てことは異世界の血なんだろ。噂じゃこの世界のとは比べ物にならないくらい美味いらしいだよ」

サ「あーそういうことか。まあ今はやめておくことだな」

ド「何でだ?」

サ「勇者には魔法が効かんからな」

一ヶ月間効かないからな。

ド「そうだったのか。じゃあ穏便に交渉したら貰えたりしないかな」

サ「話し合いも今はきびしいと思うぞ。なにしろステンド王国だ。魔族について何言われているかわかっちゃいないよ」

ド「まあ機会があれば狙ってるか」

そんなドハの発言を無視した。

すると

ラ「こんなところに居たんですね」

シ「いやああの匂い本当にきついよ」

サ「はっはっはっ。すまんすまん」

シ「それで聞こえたけど勇者が召喚されたんだね」

ラ「是非一度手合わせ願いたいところですね」

シ「えーなんか勇者って怖くない?関わりたくないんだけど」

サ「近づかなきゃ関らんし気にせんくてええわ。それとシレ」

シ「なんだい爺さん」

サ「ドハとラミを勇者の方に行かせないようにな」

こいつらわんちゃん行きそうだから監視させんと。

そして僕らはできる限りの整理と掃除をしてなんとか終わった。

サ「とりあえずまたわしは出かけるからてきとうに方針でも決めておくといいさ」

僕は自宅に帰って行った。

ド「寝ずにずっと動くとか、化け物か、あいつは」

ラ「それについては同感ですよ」

シ「ま、なんだっていいさ」

ド「だな。俺たちは方針でも決めておくか」

三人は気にせず話し合いをしていった。

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