第39話 ドラゴンとの睨み合い
ニ「おい、あれはヒアリヌスの知り合いか?」
僕らの上には二匹のドラゴンが飛んでいた。
強風で家が飛びそうだわ。
でも飛んでないとはすごー。
まあ今は建築技術よりも目の前のやばそうなやつらを対象せなあかんな。
ヒ「知り合いというか...」
テ「歯切れが悪いのぉ?なんだ、友達か?」
ヒ「...親ですね」
親かよ。
テ「もしかして心配して来てくれたんじゃないのか?」
ニ「じゃあなんであんな殺る気満々なんだよ」
テ「過保護ってやつか?」
ヒ「そうよ。うちの親は過保護すぎるの!だからわたしのしたいことも全然させてくれないのよ」
ニ「ありがた迷惑ってやつだな」
テ「ヒアリヌスは長年生きてるのにずっと親が過保護というのも嫌だよね〜」
ヒ「そうそう、だからこうやって嫌気がさして出てきたのに、まさかここを察して追ってくるとは」
ニ「なぜここがバレたんだろうんな」
ヒ「さあ?多分さっきのドラゴンで煙出したからそれでバレちゃったのかな?」
?「そろそろいいかな?」
男の声をしたドラゴンが話しかけてきた。
親父さんかな?
ニ「ああ、すいませんね。それでご用件は?」
僕が要件を聞くとハドが近づいてきた。
ハ「ここからはわたしが対応します」
ほーここは任せるか。
??「ここの主ですか?別にうちの娘を返しにもらえれば特に何もしませんわ」
おそらく母親さんだとドラゴンがしゃべってきた。
ハ「ええ、もちろ「「いや待て」」
?「なんだ?」
僕とテンはハドのセリフを遮った。
ニ「悪いがうちの戦力を取られるわけにはいかないんだ」
テ「戦闘、運搬係が消えるのはまずいからなあ」
?「ほう?つまり返さないってことか?」
ニ「そもそもに返すも何も本人の希望をしっかり聞かないとダメではないか?」
テ「ずっと縛り続けるのが本当に親の務めかな?」
??「わたしらなりの方針があります。下等な生物にとやかく言われる筋合いはありませんよ」
ヒアリヌスはずっと黙ったままだった。
ニ「下等は誰に対しても失礼ではないか?そもそも私は仮面族であるがな」
テ「それを言うならわしは天狗族だ。ドラゴンよりも伝説と謳われるぞ」
??「生物ではないのに生命を持つ仮面族に、数少なく神や妖怪とも言われている天狗族ねえ。だけど結局この世界は力が全て、我らドラゴンには勝てないわ」
二「力量を測れないやつが強いのか?不思議な話があるものだ」
?「力量を測らなくても我らが強い。測る必要すらない。ただそれだけだ」
テ「なあそこのおっさん、ヒアリヌスの意見はきかなくていいのかな?」
?「まだ正しい判断を下せる年齢ではない」
二「こういった選択を決めていくのは人生においてよくあること。その人生を決めるのは貴様ら親ではない。ヒアリヌス自身だ。そうであろう?」
?「たしかにそれに関しては一理あるかもな」
二「ではヒアリヌス、君はどうしたい?ここで暮らすか、あっちでつまらない人生を送るか」
ヒ「もちろん、ここで暮らしたいに決まっている!」
二「というわけで帰ってもらおうか」
ま、どうせ帰らんだろうけど。
?「そうか、ヒアリヌスはそういうのか」
そのドラゴンはすこし寂しそうな声をしていた。
まるであきらめたような雰囲気を出している。
しかしなぜだろう。
殺る気満々ではないか。
まったく隠せてないぞ。
??「じゃあ」
すると二人は口から火を吹いた。
そして火を吹いた所から煙が沸いていた。
?「我々にいちいち指図するからこうなるのだ」
二人はにやりと笑っていた。
しかし
二「まったくいきなり攻撃とは随分と卑怯だな」
煙が明けると家も人も何事もなかったかのようになっていた。
?「ほう?」
??「氷の膜を張ったのね」
僕は氷を壊した。
とても小さい氷の粒が我々に振るとても美しい演出ができた。
素晴らしい。
ヒ「なんで?了承してくれたんじゃないの?」
?「了承ではない。理解しただけだ。ただ別にそれに承認したわけでもなく納得もしたわけではない」
ニ「なーにヒアリヌス、こいつらには実力で納得させれば良かろう」
ヒ「実力…勝てるかな」
ニ「勝てる、勝てないではない、勝つのだ。お主自身が勝たないと意味がないからな?」
テ「久々の戦闘、それもドラゴンとは楽しみだなあ」
ニ「私も最近は鍛えてないからな。ここらで復習も兼ねておこう」
?「こりゃあどうやらはっきりとさせる必要があるみたいだな」
??「ええ、お仕置きとして少しは痛い目を見てもらいましょうか」
これから僕ら三人とドラゴン二人の戦闘が始まる。
はずだった。
ハ「ちょっと待ったー!」
始まろうと瞬間にハドが急に止めてきた。
この五人がええって顔をしながらハドを見た。
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