第38話 ドラゴン登場
二「でなー最近ではトランプというカードを使ったゲームが出てたりしてるぞ」
テ「世の遊びも変わったなー」
僕はテンに今流行ってたりしてるものを教えた。
と言っても魔王領だけだけど。
そんなことより僕は先ほどから感じていた気配にワクワクしていた。
テ「なあニック、気づいとるか?」
ニ「ああテン、ちゃんと気づいてるぞ。そろそろだな」
そろそろ見えてくる。
そして目の前に見えてくる。
そうドラゴンが...!
ニ「初めてみたぞ。ドラゴン。流石に迫力があるな」
テ「そうかニック。お主は初めてか。わしは何回かあるけど、やっぱりちょっと焦るなあ」
何メートルあるんだろうか。
とにかく巨大だな。
テ「これって戦うのかな?」
ニ「まあドラゴン族って言うのは戦闘狂が多いからな。しかも天狗族と仮面族。強さ的には申し分ない。ま、知能も高いから話し合えばわかるかもな」
テ「そうなのか、戦闘か話し合い、か」
ニ「どっちに転ぶか...っと思っていたがおそらく戦闘はしないぞ」
テ「え?なんで」
二「あのドラゴンの背中を見てみろ」
僕はドラゴンに人が乗っているのが見えた。
二「んー?あ、あのおじさん」
そう、アルズノワクが乗っているのが見えた。
つまり、あそこで人間の姿をしたやつが変身してみんなで乗っていたのだ。
ニ「ま、これで任務完了だな」
テ「そうだな。帰るか」
僕らは帰り道おそらく同じことを思った。
あれ?これドラゴンにぶつからねえよな。
でもぶつからなかった。
多分こっちを気遣ってそんなに速度を出さなかったのだろう。
ありがたい。
ふう、着いた。
みんなドラゴンに怯えていた。
ま、そりゃそうだわな。
戦闘狂じゃないドラゴンなだけいいほうなのだが、みんなからしてみれば違いなんてわからんか。
ハドまで驚いてるわ。
なんか笑う。
ハ「ちょっとニック、テン!これは一体何事!」
ニ「おいおいハド、そんな慌てるな」
ハ「いやいや流石に慌てるよ!?だってドラゴンじゃん」
ニ「仮にもここの主だろ。少しは落ち着け」
みんなドラゴンに注目しているから良かったけど。
ハ「は、そうだね」
ハドは一応落ち着いた。
テ「ハドさん、そもそも前に言ったでしょ?ドラゴンがいるって」
ハ「あードラゴン、そうか。ここにもいるもんね。うん。そうか。そうだ、忘れてた。アルズノワクも乗っているのか」
おーちゃんと切り替えできているではないか。
ハ「ねえアルズノワク、ちゃんと持ってきた?」
ア「ああ、それは平気だぞ。そんなことより流石にここに乗るのは怖いな」
アルズノワクにも怖いとかあるのか。
そういやアルズノワクって種族なんだろ?
多分人間だったはずだけど。
ま、どーでもいいや。
ハドとアルズノワクが話ていたら、
ボン!
隣でドラゴンの姿をしていた者が、人間になった。
テ「へーこうやって変身するのか」
ニ「変身って面白そうだね」
ハドとアルズノワクも少し驚いていた。
ハ「あー、あなただったのね」
目の前の少女になんか納得していたハドがいた。
前に何かあったのかな?
その少女はこっちに来た。
テ「どうしたんだ?」
?「えーだってわたしってドラゴンだから浮いてるじゃん。だからここの浮いてそうな人たちに絡むしかないじゃん」
テ、ニ「誰が浮いてるだ!」
?「だって仮面に天狗でしょ?当たり前じゃん」
種族だけなら否定はできんけど。
ハ「えっと、ありがとうね」
?「いえ、ハドさんのお役に立てたならよかっです」
なんか随分と態度が違うな。
喋り方というか、仕草というか。
ハ「とりあえず休憩してていからね」
?「ありがとうございます」
ハドはどこかに行った。
ニ「なんだか私たちと言葉遣いやら、なんやら色々違うな」
?「当たり前じゃん。友達と上司だったら違うに決まってるでしょ」
テ「まあそりゃそうだけど、ただわしらはお主の名前も知らぬぞ」
?「そういや名乗ってなかったわね。わたしはヒアリヌスよ。で、あなたたちは?」
テ「わしはテンじゃ」
ニ「我はニックだ。というかなんでドラゴン族があんなところに捕まっていたんだ?」
ヒ「そうか、それを本当に聞くのか?」
ヒアリヌスは少し怖い顔をして言った。
しかし相手はテンとニック。
ニ「まあ気になるしな」
テ「ドラゴンが捕まるなんて変な話だしな。気になる」
ヒ「...まあそうだよね。あなたたちだし。そうね簡単に言えば暇つぶしよ」
ニ「暇つぶし?」
ヒ「だって長年生きていてもやれることって限られるのよ。圧倒的に暇な時間ができるのよ。それならこうゆうところで捕まったらなんか面白いこと起きるかなあって思ってさ」
テ「なるほど?でもあれな話ハドさんに敬語を使うのってドラゴン族的にいいの?」
ヒ「別にわたしはそんなに気にしないわね」
ニ「そんなもんか。ま、長年生きてないからわからんな」
ヒ「あら、あなたってまだそんななのね。でもそこの天狗さんは長年生きてそうだけど」
テ「ああ、もう何歳なのかすら覚えていないわ」
ヒ「正直どうでもいいしね」
ニ「わざと捕まるとか、長いこと生きるやつの考えなんてわからんなあ」
ヒ「テンもそうじゃないの?」
ニ「こいつは寝てたら捕まってたっけんだっけ?」
ヒ「くだらないわね」
テ「うっ、否定できん」
ヒ「というかそれなら脱走すればよかったじゃない」
テ「いやあ、お腹も減ってとても眠くてお腹も痛くてと不幸が続いていたからなあ」
僕とヒアリヌスは呆れた目でテンを見ていた。
テ「そういやニックはなんで...」
僕とテン、ヒアリヌスも気づいた。
またドラゴンが来ていると。
それも二体。
しかも今回は穏やかには終わりそうにないと思ったシュテルクストであった。
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