第35話 種族色々

ハ「ねえ、シュ「私はニックです。なんでしょうか」

とりあえず今はニックで通せってことかしら。

ニック「それでハド様なんでしょうか」

本当はすぐに問いただしたいけど、ここじゃよくないか

ハ「あとでちょっときなさい」

ニ「ハド様わかりました」

?「あれハド様じゃないですか」

近くにいた天狗が話しかけてきた。

ハ「ええっと」

?「わしのことはテンと言ってください」

赤く長い鼻の形をした仮面をかぶっていて大きな翼を生やしている。

声的に女かな。

テン「ニック、なんでここにハド様がおられるの」

ク「仮面族は珍しいからな。それで話しかけてくださったのだ」

仮面族なんていないでしょ。

そんな嘘が通れれば良いけど。

テ「我々は珍しいもんな。確かに話しかけくるか」

あっ仮面族っているのね。

ハ「そ、そうね。あなたたちの種族って珍しいからね」

テ「なんで動揺してるんですか」

なんで、わかった。

まずい、まずい。

えっと、

ハ「いやあなたたちってほら珍しいから。ちょっとね?恐れ多いといか」

テ「まあわしなんて伝説の生き物って言われてますからねー。そんなことは全然ないんですけど」

ニ「伝説と言われているだけの知名があるだけいいではないか。私なんて存在すらあやういんだぞ」

テ「たしかに、わしも種族言われてから思い出したわ」

ハ「あなたたち仲良いわね」

テ「ええ、あそこで捕まっちゃった時に仮面が没収されましてね。それでここに着いた時にニックに会って仮面を作ってくれましてね」

ク「なかなかの力作であろう」

ハ「な、なるほど。というかなんであなたみたいな人が捕まったの?」

テ「実はえっと、お酒を飲みすぎて酔っていて、気づいたら牢に入ってました」

ハ「…」

テ「いやあもう無理かなと思ったんですけど、わしも案外運が良いものですよ」

ハ「そ、そうなのね。というか帰る家あるなら帰ってもらっていいからね」

テ「いやいや助けてもらったんですし、どうせ帰っても暇なんですよね」

ハ「へー」

テ「特訓してても良いけすけど、ここの方が刺激ありそうだし出会いもたくさんありそうですしね」

ハ「まあ居るならいるでありがたいからなんでも良いけれど」

とりあえず天狗がいてくれるのは戦力的アップかしら。

ハ「じゃあニック来てくれるかしら」

ニ「わかりました」

わたしが前を歩くと二人がこそこそ喋っているのがわかる。

テ「おいニック何したんだ」

ニ「何もしてないはずなんだがな」

テ「だったらなぜ呼ばれるんだ」

ニ「もしかして仮面が欲しいのかもな」

テ「なるほど」

なるほどじゃないわ。

ため息をつくハドであった。




ハ「でシュテル、何してるのかしら」

シ「私の完璧な援護と変装がなぜバレたんだ!」

ハ「“なぜバレたんだ!”じゃないわよ!むしろなんで気づかないと思ったのよ」

シ「そんなものか」

ハ「はあ、まあいいわよ。とりあえず新人として入るのはわかったわ。それとお願いがあるんだけど」

シ「なんだ?」

ハ「大量の服と食糧が欲しいの。ほら前にあなたが言っていた衣食住の住処はまだ人力でなんとかなるけど」

シ「なるほどなあ。まあ服は買えばいいとして、食糧は一気に100人はきついしな。この一年間は農耕がしっかりできるかが一番の勝負かもな」

ハ「ええっとそれで、服はその…」

シ「どうした?」

ハ「お金が今用意できないから…」

シ「何をそんな心配しておるのだ。そんなことは私に任せておけ。まあどうしても気が引けるならいつか食事でも奢ってくれ」

ハ「…ありがとうね。それとあなたって仮面族だったのね」

シ「いや違うぞ。仮面族が一番嘘として都合がいいからな」

ハ「…」

わたしはなんと答えたらよいかもうわからなかった。

シ「ではハドにも会えたし一旦私は出かける。ああそうだ。ハド、気をつけてな」

ハ「何が」

シ「何がってドラゴンだよ」

え?ドラゴン?

シ「流石にあれは私とて戦ったことがないから細くはわからんがやはり魔力といい、体つきといい圧倒的に強いのがわかる」

え?え?

シ「あんな施設にドラゴンを捕えておくほどの頑丈な鎖はなさそうに見えたんだが、弱っているのかもな。とりあえず警戒しておけよ。それじゃあな」

ハ「ちょっと待っ」

気がつくとシュテルは目の前にいなかった。

ええ、ドラゴンがいるの。

というか誰がドラゴンよ。

なんでそれを言ってくれなかったも

アルズノワクー戻ってこーい!

あっそうだ。

テンにも聞いてみるのがいいわね。

天狗ならわかっているかもしれないし。




テ「ええ、ドラゴンいますね」

そんなあっさりした回答が来た。

いや内容はあっさりしていないんだけど。

ハ「いたのなら色々まずくないかしら」

テ「そう言われましてもねえ。別に強いけど害は基本ないですし」

ハ「色々な種族がいるとは思っていたけど、まさかドラゴンまでもいるとはね…」

テ「案外ドラゴン族って言うのは見かけるもんですがな。わしからしてみれば仮面族の方が珍しいですよ」

ハ「ドラゴン族ってわりと多いのね…。とりあえず害がなければそれでいいわね」

安心したようなしてないようなモヤモヤした気持ちのハドであった。

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