第34話 優しいルル

サ「本日もお疲れ様でした。まあ魔王様はまだ仕事が残ってますけど」

ラ「はいはいお疲れ様」

サ「それでは」

5時になったけど、僕は引き続き残業だ。

早くハドのところに行きたいなー。

前はサンドラも一緒に残ってくれることがあったのに、今じゃ一人でできるから先に帰りやがって。

というかこの仕事なんて大抵サンドラ一人でも捌けるからあやつがやればいいものを。

文句をぶつぶつ思っていると。

?「し、しつれいします」

おやこの声は

ラ「はい、どうぞー」

ダ「失礼します」

ラ「やあダダーさん、お久しぶりですね」

ダ「えっと書類を持ってきましので、そちらの確認をお願いします」

ラ「わかりした」

ダ「それでは」

随分の体が堅かったなー。

やっぱりどこに行っても上下関係があるところってのは面倒だな。

ま、まだ魔王だから楽なほうではあるか。

よしとりあえずこの仕事を終わらせるか。

ふう。

魔王室にはペンの音が走る。

そして、

ラ「終わった、終わった」

僕は仕事を速攻で終わらせて帰った。




ラ「やあルル、悪いけどすぐ準備お願い」

ルル「わかりました」

すぐに食事を終えて、

ラ「美味しかった。よし、じゃあ行くか」

僕が服と仮面を持つと、

ル「まって」

ルルが僕の手を掴んできた。

ラ「ん?どうした?」

ル「食べてすぐ行くのはよくない」

ラ「...たしかにそれもそっか」

僕はルルの言う通り少し休んでから行くことにした。

いやあルルってちゃんとと心配してくれるよな〜。

ラ「ありがとな」

ル「?」

ラ「なんでもない。そういえばさ、最近なんか色々噂聞かない?」

シュテルクストとして表で知名度伸ばせているのか気になった僕は聞いてみた。

ル「例えば?」

ラ「そうだなー。なんか聖人でも悪人でもなんでもいいから有名人とか」

ル「そういうのは特に聞かない」

ラ「そうかー」

ル「あ」

ルルは急に思い出したかのように言った。

ラ「なんかあったか?」

ル「たしか軍部大臣のガス?って人が前酔ってたのか知らないけどすごい大暴れしてた」

ラ「...」

ただの恥が噂になっているとは。

まあ私生活とかに文句を言う権利はないけど、少しぐらいは自重してほしいものだな。

ル「あとは特に聞かないかな」

そうかあ。

今思うとあの兄弟二人を殺したことしかやってないしな。

今度表でも暴れるか。

今度というか明日やろう。

ラ「なるほど、ありがとう。じゃあ行ってくるわ」

ル「いってらっしゃい」

さあて行きますか。

この新しい仮面をつけて。




さあ今日から忙しくなるわね。

ハ「みなさん、それではとりあえずここを復興していきましょう」

ハドの掛け声でみんなが「はい」ちう。

ハ「とりあえずまずは住居を作る人と農業と狩をする人たちで別れてください。自分が一番得意とするところをやってくれて構いません」

ちょっと住居の人が多いけどまあいっか。

こうなると食糧もシュテルに頼まなくちゃいけなくなるわね。

ア「住居の方はハドが、狩など食事の方は私が担当だ」

その後わたしはわたしの方で色々と指示を出した。

といっても建築についてはさっぱりなので大きな箱を作り、そこにたくさんの個室と廊下を作るといったざっくりした指示だけ出してあとはやってもらった。

わたしの雑な指示でもしっかりとみんなで確認しながら建ててくれる。

にしても色々な種族がいるな。

いろんな種族のエルフに豚や豹などの獣人、天狗や仮面などの特殊な種族も多くみられる。

天狗なんて伝説の生物かと思ったけど居たのね。

ん?仮面?

よくみたことある仮面…いや微妙に青くかかっているのか。

あとは服装が違うぐらいだけど、背とかは随分と似てる

ハ「ねえ君」

?「はい、なんでしょうか」

声も同じじゃん。

え?わたしはこれに気づかなかったのか。

なんだか変な気分になるハドであった。

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