第33話 ウォームグレムについて

リスインと法についての話し合いに一区切りがついた。

リ「にしても魔王様とこうやってお話するのはいつぶりでしょうかね〜」

ラ「いつだろうな。覚えてないな」

リ「ちょくちょく会っているような、会っていないような。わかりませんね〜」

ラ「なー」

自分で言うのもあれだけどてきとうすぎる二人の話し合いなんてこんなもんになっちまうよな。

仕事は真面目だから僕からしたらなんだっていいんだけどな。

ラ「そういやハルトルにも会いに来たんだったな」

リ「そうでした!行かないと忘れそうなので行かさせていただきます」

ラ「いってらっしゃ」

リ「本日はこちらにおりますので何かあれば」

ラ「んーまああとで会いには行こうかな」

リ「ええ、是非」

そうしてリスインは去っていった。

いやーやっぱあいつが来ると和やかになるな。

僕が和んでいるとその和やかさを消す者が現れた。

サ「失礼します」

ラ「出たな、諸悪の根源」

サ「いきなりなんですか。失礼ですね」

ラ「で、なぜここに来たの?こんな時間に来るなんて、嫌な予感しかしないんだけど」

サ「実は書類がまた遅れるようなのでいつも通り今日は残業でお願いします」

ラ「なんでこう何回も何回も残らなくちゃならないんだ!」

サ「そんなことわたしに言われてましてもただ伝えるだけがわたしの仕事なのに。そんなわたしに攻めるなんて八つ当たりもいいところですね。まったく」

ラ「そうか、じゃあなんで一週間に最低2回のペースで遅れることがあるんだ。酷い時なんて週6だったじゃないか」

サ「それは担当の人が...」

ラ「その担当の管理者は一体誰なんだ」

サ「うっ」

ラ「そこを早く改善してくれ」

サ「たしかにそこを直すのが面倒だったりしますけどそうやってネチネチ言うほうが諸悪のような気がしますけどね」

ラ「うっ」

やっぱり痛いところをついてくるやつだな。

ラ「とにかく改善をしなさい。改善を」

サ「いつかしますよ。ええいつか」

そう言ってサンドラは部屋から出ていった。

流石に八つ当たりは良くなかったな。

まあ別に間違ったことは言ってないしいいか。

僕はそう思いながら寝た。

しかしまたドアのノックの音がした。

サ「そういえば大事なことを言うの忘れてました」

ラ「あー入ってどうぞ」

サ「すいませんね。ウォームグレムのトップ、マグが死亡しました」

ラ「ウォームグレム?マグ?」

サ「そういえば魔王様にお話はしてませんでしたね。秘密組織ウォームグレム。裏で色々と悪事をしている組織です。しかしこの国にまで手を出すことは今までありませんでした。やはりここと戦争をしても他の巨大組織に横やりを入れられるのがわかるので今までは暗黙でどの組織も中立していくのが普通でしたね」

ラ「そのマグが死んだことにより中立がなくなる場合があるってことか?」

サ「それについてがここからの問題なのですが、組織自体は壊滅していないので次の引き継ぎ者が誰かがとても重要なのです。候補が二人いたのですが、その候補者の一人、ヒミサレンも死亡が確認されていましてですね、おそらくもう一人の方サマンになってしまうのですが」

ラ「そのサマンはこっちとして都合が悪いのか?」

サ「ええ、仕事ができる有能ゆえの弊害ですね...」

まじか、こっちに支障でるならヒミサレンは殺さないほうがよかったな。

ラ「それで、そのサマンが就く場合こっちはどんな対策をすればいい?」

サ「やはり組織として強大すぎるので他国と関わりを持つのが一番有効だったりはしますね」

ラ「そんなにでかいのかー。うーむやっぱり他国とも少しは目に入れなくちゃいけないのか」

サ「カタエル王国的にも他と繋がりが欲しいとおっしゃっておりましたので、やはり持っておかないとだめですね」

ラ「はぁーめんどくせー」

サ「とりあえず、そこらへんはディプロマスさんが帰ってきたらにしましょう。いくら有能とはいえ、すぐには攻撃をしてくるとは思えませんし、先に他組織を潰しに行く線のほうが濃厚ですので」

ラ「ディプロマスかあ。そういや就任の挨拶が最初で最後だったな」

サ「まあ外交の方ですし、その報告は全て部下に任せていますからね」

ディプロマス・ワーク。

外務大臣を務めている悪魔族の男。

悪魔族特有のテレポートを使え、身体能力も高い。

しかし種族のせいかリスインとは相性が良くない感じがしてた。

ラ「とりあえずその件はやっておこう。それとディプロマスにも一度魔王室に寄ってくれとつたえておいてくれ」

サ「かしこまりました。最後にもう一つ」

ラ「?」

サ「近頃新たな組織ができました。マグの死亡時と非常に近いため、お気をつけを」

ラ「わかった。それとさ今ってその巨大な組織っていくつぐらいあるんだ?」

サ「えっと、7ですね」

ラ「わかった」

サ「それでは」

そうしてサンドラは部屋を出ていった。

まさかここまで影響がくるとは。

というか割とそういう裏の組織って有名だったのかよ。

あのジジイはそんなこと何も教えてくれなかったぞ。

はあ、えっとサマンか。

そのサマンも殺しておかないとな。

いやでも人探しは僕一人じゃきついし、ハドとかに任せるか。

そうだよ、最近人もたくさん入れたんだし。

うーむでもシュテルクストとして行ったらそれはよくないしなあ。

何に変装をするかとかもしっかり決めておかないと。

色々と面倒ごとが降ってくるラドであった。

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