第32話 法の大臣 リスイン
あれからやることは簡単だった。
しかし非常に面倒くさいという脳死させながらの仕事。
まずは死体を外に出す。
大量の死体を外に出したら、ドハの魔法で一気に骨まで消す。
それからここの施設についての書類を全部一箇所にまとめる。
そのついでかはわからないけど、施設の地図もあった。
これだけ。
ここは定期的に掃除もしていたっぽいから楽ではあったが、大量の死体と大量の書類をただただ運ぶだけという作業。
何時間経っただろうか。
ラ「ははは、体力とグロ耐性が付きましたね。その代わりもっと大事な物を失った気がします」
シ「なんなんだろう。慣れって怖いですね」
ド「もういい。二日、三日は休もうか」
サ「まったく、若いもんが情けないねえ」
ラ「なんでサイエンさんは普通にピンピンしてるんですか」
三人とは対照的に僕はピンピンしていた。
サ「まあ作業は疲れるけど所詮は同じ作業の繰り返し。精神がやばいわしにとっちゃ面倒って思うだけ。お前もこのやばさまで鍛えてみるか?」
ラ「あっはい。もうなんでもいいです」
サ「とにかく少し出かけてくるからな。野宿もあるからてきとうに過ごしておれ。と言ってもここの主はもうドハだからあんたが好きに決めたらいい」
ド「休みだ」
サ「じゃあまた」
そうして僕はここを出た。
そうそうあれからドハと話して一人称はともかく語尾は外した。
正直自分の中のシュテルクストが勝ってしまう部分があるため、慣れるに慣れんかった。
まあ元からジジイみたいなものだし割と素でも良さげだけどね。
とりあえず久々に今日はハドのところにいくかー。
いやーあれからどうなっているのか。
あー、先仕事か。
逃げられない運命だな。
泣く泣く僕は魔王城へ向かった。
ラ「やあ、サンドラ」
サ「本日も頑張ってください」
毎日これの繰り返しは悲しいなあ。
ラ「なんか今日重要なことある?」
サ「いいえ、今日は特に何もありませんよ♪」
ラ「りょーかい」
サ「それでは、わたしはこれで」
とりあえず仕事を昼までに終わらせておくか。
そんなわけで僕は仕事をした。
しっかし本当に仕事量だけは少ないよなー。
それにしてもさっきサンドラはなんであんなるんるんだったんだ。
なんか気持ち悪くて少し震えてしまった。
一旦別のことを考えよう。
と、とりあえず昨日研究室を手に入れたから...
ラドは仕事をしながら考えていった。
コンコン。
誰だろ。
ラ「はーい。入ってもよいですよー」
?「失礼します」
ラ「あれあんた久々だな」
?「ええ、お久しぶりです。ラドさん」
目の前にいる緑髪の男はリスイン・エスプリ。
魔王城の法務大臣を務めている男だ。
種族は精霊と珍しい生命。
精霊は周りの気分を快くさせる不思議な生物。
んーあれって生物なのか?
生物とはなんか違う気がするが。
まあそんなことより法務を務めているため、基本的に魔王城よりも法廷で忙しい日々を送っている。
まあありゃ法務ってよりも裁判官だよな。
流石にあれは僕でも代わりをしたくない仕事だよ。
むしろあれに暇なんてあるのかな。
で、そんな人がなんでここにいるんだろ。
ラ「リスイン!珍しいな。一年ぶりか?」
リ「まあちょくちょく会うことはありますけど、こうやって話すのは確かに一年ぶりですね〜」
相変わらず呑気な喋り方をするやつだな。
ラ「で、今日はどうしたんだ?」
リ「今回は魔王様の許可印と〜、魔王様に法の改正とそれと〜...」
リスインは歯切れ悪く言う。
ラ「あーもしかしてハルトルに会いに来たのか?」
リ「まあ、そうですね」
ラ「がんばれ〜応援してるぞ」
リ「とりあえず先にこちらを〜」
ラ「あーごめんごめん。で法の改正って何をどうしたいんだ?」
僕は許可印を押しながらそれを聞いていった。
(ラドの考えていたことを書いておきます。見た方が後々のことにはつながりますけど、別に見なくても影響は一切でません)
と、とりあえず昨日研究室を手に入れたから、なんか色々と化学についてを進めて...いやもっと別のことを進めていこうかな。
例えばこの世界ならではだと、うーむ。
手や足を負傷してもすぐに回復する異世界でよくある回復ポーションとか。
ただ回復って人体によって違うからむずかしいなあ。
自身に影響を与える系はやっぱり制限かかっちまう。
やっぱり作るとしたら相手にデバフをかける系のほうが効かない種族がいたとしても、範囲は広いから。作るならそういう系か。
いやこんなことを考えるやつが多いから自身を強化するタイプのものが全然作られないのか。
じゃあ僕が作り始めたら、それはまた新たな歴史として綴られる。
幸いにも時間はある。
だって魔王だもん。
よーしそうしよう。
コンコンッとノックの音がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます