第29話 ドハとサイエン。それにシレとラミ
僕は今日ハドのところへ向かってない。
それにシュテルクストの格好はしていない。
今の格好はまさに危険な博士って感じの白衣を着ている。
それにぐるぐるメガネをかけている。
そして僕の手持ちには色々な薬品が入っている瓶がある。
この格好である施設に向かった。
森林の奥深くへと。
「ここか」
僕の目の前にあるのはとある研究所。
ハドを攫ったやつとは全然関係ないところの組織だ。
いやー前走っていたらたまたま見つけちゃったからねー。
色々と調べちゃったよ。
今日またある男の子がここにくるみたいだ。
だからこそ今日だ。
僕のやりたいことはハドとは別の組織も作っていくこと。
一つの組織が裏の世界を牛耳る?
それはおもしろくない。
やはり対抗組織がばちばちと戦い合う。
それこそが混沌としあうなかなかに荒れた世界を味わえる。
それがいい。
ちなみにこの格好。
シュテルクストと同じ格好でもいいが、どうせならこの世界でできていないことをしながら楽しみたい。
この世界では化学が劣っている。
魔法で色々とできたりしてしまうからどうしても科学関係に関しては進まれていない。
だからこそ僕が進める。
謎の魔法を使う異端な人物。
名前は...サイエンでいいか。
ここら辺はてきとうでいいや。
さあとりあえずこの研究所に入りますか。
笑い方も特殊にしてみるか。
兵1「ん?誰だお前さん」
サイエン「ききき」
攻撃方法は
サ「ふんっ」
僕は瓶を投げた。
兵2「痛っ」
兵1「おいお前さん鎧が」
片方の男の鉄の鎧が溶けていた。
ただの硫酸だ。
何も加工していないただの原材料をぶん投げただけなのに。
兵1「はっ!」
片方の男が僕に向かって剣を振ってきた。
サ「あたー」
もう一つの攻撃方法はカンフー!
あえての肉体戦。
シュテルでも肉体戦はあるけどあれは剣。
こっちは拳。
拳での攻撃モーションがこんな変哲な科学者との異例のコンボ。
これがまた良いんだよ。
そうして僕は研究所に入っていった。
どうしてこう前の組織と似てるんだ?
もしかして組織の系列とかは同じだったのか?
あまい調べが露呈してしまったが、部屋の構造が大体同じなら良いってことで気を取り直そう。
さてと
サ「ふんっ!」
どんどん敵が来るねえ。
ここは風魔法との融合。
サ「はっ!」
拳を出したほうに風魔法で思いっきり吹き飛ばす。
正直カンフー関係ないけどまあ演出って大事だよね。
さてとそんなことをしていたら着いたぞ。
まじで構造似てるな。
どーでもいいけど。
ただここに入った男の子は前みたいに逃げたわけじゃないんだな。
どこにいるかだけかはわからないからそこは頑張るしか...と思ったが、多分ここだな。
鉄の鍵...魔力を通さないのか
このタイプ、鍵は外付けでついてるからここに硫酸を流せば。
ガシャッ。
溶けた溶けた。
狭いな。
牢屋が五つしかない。
そして使われている牢屋は三つ...
つまり3人いる。
?「誰?」
おっとここはちゃんとサイエンとして頑張らなくては。
サ「きっきっき。そうだな。お前さんを助けにきた、かな?」
?「助けに?てめえはいかにもここの研究者に見えるが。そもそも助けるような正義感を持っている感じもないが」
サ「別に気分でここにいるだけだ。お前さんを助ける義理なんてわしにはない」
?「じゃあなんで?」
サ「わしはちょっと追われている身なんだよ。ただわしは研究者じゃ。追われることに時間を使いすぎるなんて勿体無い!だからどこか隠れ蓑が欲しかったんだよ。ただねこんなやばいやつどこも欲そうとしないんじゃ。だからわしは考えたんだ」
僕は目の前の男の子に指を刺して
サ「新たな組織を造ってそこに匿ってもらおうと。そして新たな組織はどんなやつがいいかな?誰がちゃんとやってくれそうかな?どんなやつがやってくれるかなと?」
?「そんなもんあんた自身でやればいいだろ」
サ「わしはそんなことはするのが面倒なんじゃ。まあそんなわけで組織の適任者は誰かなと思った時君がここに連れてこられるのを見たんだよ」
?「なんで俺なんだよ」
サ「正義感がありそうでこうやってここに連れられきて、世界に絶望してそうなお前さん、どうだだからここは交換条件というこじゃないか」
僕は手を広げて
サ「君をここから出してやろう。その代わりお前さんは秘密組織...ようはここがやってるような組織をつくれ。別に方針はなんだっていい。ここみたいな悪に染まろうが、正義のために尽くそうがなんだって。そこにわしを置け。どうだ悪くないだろ?」
僕はきっきっきと笑った。
?「それは本当なのか?」
サ「なぜ嘘をつかなくちゃならない」
目の前の男の子はすぐに答えた。
?「わかった」
サ「懸命な判断助かるよ。それとここには君が入ったから君に声をかけたが両隣の二人はどうしようかなねえ」
?「聞けばいいじゃないか」
サ「おいお前さんたちこの...」
僕が言おうとするとめっちゃ二人は頷いた。
サ「話が聞こえていたか。じゃあ楽で助かるな」
僕は鍵に硫酸をかけた。
?「すげえな、なんだよ初めて見たぞ。これもお前さんが作ったものなのか?」
サ「・・・どうだろうな」
天然の素材しか活かしてないものである。
山奥にあって毒素が周りに広がってるからまじで無名素材もんだよね
サ「おや?人間ではないと思ったが」
?「俺のこと気付いたのか?」
サ「ああ【吸血鬼】だろ。ただなぜそんな種族がここにいるのかと、まあそれは後ででいいか」
?「とりあえず血が欲しいな」
サ「少し待ってくれ」
両隣の女の子の鍵を溶かした。
この二人はエルフと犬の獣人とよくある人種だった。
サ「ではここを殲滅するぞ」
?「殲滅するのか」
サ「ああどうせならここを仮拠点にしようじゃないか。今外に出たところでしょうがないしな」
?「それもそうか」
サ「お前さんはどれだけ戦えるんだ?」
?「俺は血さえ取れればそこそこ戦えると思っているぞ」
サ「では君たち二人はどうかな?」
??「まったくです」
???「左に同じくです」
サ「じゃあわしの後ろにいなさい。決して離れるでないぞ」
僕らはこの部屋を出ようとした。
サ「そういえば名前を聞いてなかったのぉ。そしてわし自身も名前を名乗ってなかったな。わしの名前はサイエン」
?「ああそういえばそうだな。俺は「いや、お前さんは言わなくていい」」
吸血鬼の男の子が言おうとするところを僕は止めた。
サ「お前さんはこれからドハと名乗るんじゃ」
ド「ドハ?まあいいけど」
どうせならハドと逆の名前とかほうがなんかいいしな。
サ「で、君たちは?」
??「わたしはシレ・ウィンクルです」
こっちのエルフがシレか。
しかし随分生命力が高いな。
???「わたしはラミ・トローミーケドです」
こっちの獣人がラミか。
こっちも随分と生命力が高いな。
サ「シレとラミか。では行こう」
そして僕ら四人は部屋を出た。
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