第21話 食堂での存在
ラ「やあ、サンドラ」
サ「本日も頑張ってください」
毎日これの繰り返しは悲しいなあ。
でも久々に朝ちゃんとしたものを食べたな。
ただ自分で作ってないから昼の用意を忘れたのは盲点。
そういやここって食堂あったよな。
たまには使ってみるか。
ついでに僕は気になったことがあったので聞いてみた。
ラ「なあサンドラ、ここの食堂って利用率どれくらいなんだ?」
サ「利用率ですか?結構高いですよ。あれラドさんは利用されてないんですか?」
ラ「一回も使ったことないんだよねー」
サ「じゃあ今までお昼は何を食べていたんですか?」
うっ。
そういや毎回まともなもの食べてなかったな。
ラ「えっとな、パンにお肉と野菜を挟んだものを食べてる」
サ「他には?」
ラ「それだけ」
サ「・・・それ、食事としてどうなんですか?」
僕は黙ってしまう。
何も言えん。
ラ「まあとにかく今日はお昼を忘れたから食堂を使ってみようと思ったんだ」
サ「なるほど、でしたらここまで運んでもらうように頼んでおきますよ」
ラ「そんなことできるのか」
サ「ええ、もちろん役職が高い人限定ですけど。全員にそんなことしてたら時間がかかってしまいますし」
なるほどねえ。
でもなあここまで運んできてもらうのか。
食堂覗いてみたいんだよな。
ラ「食堂って使っていいんだよな?」
サ「ええ、使っても大丈夫ですよ。まあわたしくらいになるとむしろ使う方が良くないので。ほらわたしってモテるし、地位もあるし、みんなを魅了してしまうので」
その自信だけは本当に尊敬できる。
自信だけは。
何が嫌かって嘘じゃないことだからな。
ラ「あんたの自信は置いといて、僕はどつせ顔がバレてないから注目を浴びることもないだろ」
サ「まあないですね」
こいつ本当にバッサリ言うな。
ラ「とりあえず食堂を使おう。ありがとうな」
サ「では」
そう言ったあとサンドラは部屋を出た。
ラ「どんなメニューあるんだろうな」
ちょっと楽しみにしてる僕がいた。
さてお昼に起きれた僕は今、食堂に向かっている。
ラ「あらら、もっと早く来るべきだったな」
そこそこ長めの行列ができている。
おっ看板に今日のメニューが出ている。
Aセット 定番の食事(スープ付き) 650
Bセット 豚パン 450
Cセット サンドウィッチ 野菜多め 500
Dセット サンドウィッチ お肉多め 550
おお、安い上に栄養価も高そうだな。
これなら確かに毎日こっちのほうがいいかもな。
とりあえず今日は定番のやつ、定食にしようか。
そこそこ長いなー。
ラ「すいません。Aセットをお願いします」
食堂の人「はいよー。ん?見ない顔だね」
そう言いながら僕にAセットの65番の紙を渡してくる、おばちゃんって感じの人
まじか人の顔覚えているのか。
ラ「はい、初めて利用しました」
食人「そうかい」
そう言って僕はここを離れた。
少し待っていると呼ばれた。
ラ「おおっ」
目の前には暖かく美味しそうなスープと豚肉と少し盛られている野菜、そしてパンがあった。
まるで生姜焼き定食。
いやこれ生姜焼き定食だろ。
これを持って僕は席を探した。
先に席を探しておけばよかったな。
全員知らない人だからあんまり隣に座りたくないし。
あそこの席は広いから他の人たちの迷惑になりそうだし。
しかしあそこはやけに人が多いな。
そう思って見ているとアムがいた。
アムの近くは...いや、やめておこう。
なんとなくアムに申し訳ないし。
なんか今見られた気がするけど、気にしないでおくか。
おっあの端の席いいじゃん。
ではいただきますか。
…うまいなあ。
毎日食べてる僕の料理とは比べちゃダメだな。
しかしこれなら毎日これでもいいかもな。
あーもしくはルルに作ってもらうのもいいな。
明日はルルに作ってもらうか。
よし、そうしよう。
そうしてすぐに僕は食べ終わった。
いやー美味かったけど。
美味しいんだけどね。
でもやっぱり米が合うんだろうなあ。
米、本格的に探すのもありかもな。
そんなことを思いながら、食器を片付けた。
すると
ラ「あれ、ガスじゃん」
ガスが紙を受け取っていた。
おそらく数人を連れている。
おっと。
多分あっちも気づいたな。
僕は少しだけ会釈をした。
あっちも会釈してくれた。
さて仕事...まあ仕事場に戻りますか。
僕は魔王室に向かった。
ガスは整理券を部下に渡すとアムのところに向かった。
ガ「なあアム。気づいたか?」
ア「もちろん。気づいてるわよ」
ガ「なんでここに魔王様がいたんだ?」
ア「前に魔王様がサンドラの代わりに書類を受け取りにきたじゃない。多分あれの続きでこの魔王城調査しているんじゃないかしら」
ガ「ああ、あれか」
俺は記憶にほとんどないが、酔っ払っている時に魔王様がきたのだけは思い出した。
ガ「そうか、ここ数日は少しは気をつけておくか」
ア「お互いそれが一番いいよね」
そうして俺は部下のところに向かった。
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