第20話 一年後

ア「ちなみにそなたは剣を持たなくて良いのかな?」

アルズノワクにそう言われた。

シ「私はいらない。さてアルズノワク、先に言っておこう。今回はあえてすぐに倒させてもらおう。今回は芸を持たないからな」

そう言ったあと僕は周りを一瞬にして凍らせた。

多分基本もグッと下がっただろう。

シ「生物は基本、寒さに弱い。もちろん例外な奴もいるが、貴様の場合は普通の生物だな。そしてその戦闘体制、速さを自慢としているのだろう。だからお前がすぐにするべきことは...」

そう言うとアルズノワクは周りに火魔法を放った。

シ「そう、それが正解だ。だが火魔法はおそらくそんなに鍛えてないはずだ。なぜならあれは威力は高いが遅いからな。だから貴様の火魔法程度なら」

アルズノワクが火魔法を放った場所は全くと言っていいほど、何も変わっていない。

シ「そう、何も変わらない」

すると

ア「ふーむ」

アルズノワクはそう言うと少しだけ焦っているように見えた。

ア「だがそんな説明ばかりでいいのかな?」

そう言うとアルズノワクがすぐに私の背後に立っていた。

そして剣と氷の剣が混じり合う。

シ「鍛えられた己の体と風魔法の融合か。だが気づいているだろう。いや気づかせただろう。私に速さでは勝てない」

ア「なるほど」

アルズノワクは少しだけ差を取ると一気に叩き込んできた。

しかし

シ「まあ当たったところで別にあれだが。避けたほうが楽に終わる。ガラ空きだぞ」

そうして僕は下から上に向かって殴った。

シ「物事を分析しながら戦うほうが自分への成長にも繋がる」

ア「参ったな、何もわからんかった。でもここにいれば何かわかるかもな」

シ「ははは!歓迎だ。よーしハド、酒を持ってこ...って流石の用意!」

もう用意されていた。

とりあえず我々の計画と作戦を言おうじゃないか。




シ「というわけで約一年後に実施だ。私が10ヶ月に契約したのは特に意味はないがな」

そう言うと

ア「わたしのことはてきとうに呼んでくれ。人助けをしつつ、自分の力を高められる。素晴らしいな。わたしも協力しよう」

よーしよしこれで仲間が増えた。

シ「ではアルズノワクはハドの鍛え練習も頼んだ。私がいる時はアルズも鍛えてやろう」

今日はお酒に飲まれて夜が明けた。

シ「ではアルズノワク、一応言っとくけどハドには何にもするなよ?」

ア「わかっておるわ。そもそも わたしは同年代が好きなのでね」

シ「じゃあハド、まあぼちぼち頑張れ」

そう言うとハドは

ハ「行ってらー」

僕は自宅に帰った。




家に着く頃には僕は普通の一般人の服装になっていた。

ラ「おー片付いてる」

僕は真っ先に思ったことを言った。

ル「...えーとどちら様ですか?」

ラ「酷いな。仮面外しただけだぞ。もしや素がイケメンすぎて少しビビっていたのかな?」

ル「別に...」

ラ「まあいいや。朝食を作ってくれー」

ル「わかりました」

ラ「それと僕と喋る時はフランクに話してていいよー。いやー堅いのは嫌いなんだよね。とりあえずルル、色々頑張ってくれ。あーそうだ。家の仕事終わったらてきとうに過ごしてくれていいから」

そう言うとルルの頭の中は多分?でいっぱいだと思う。

ル「本当に変な人ですね」

ラ「そうだよー、僕は変な人だよー」

まあ敬語はアレとして変な人とか言ってるあたり、少しずつ慣れていくだろうな。

少し立つと朝ごはんが出てきた。

ラ「おーいいじゃん」

ル「ありがとうございます」

ラ「堅いねえ、まあいいけど」

あーうまい。

ラ「そういやさ。あんたって感情なんか死んでるような生きてるような。よくわからんな。あるの?」

そう言うとルルは

ル「ありますよ」

ラ「あるのか。ならよかった。あんたも質問いいぞー」

ルルは少しだけ考えて、

ル「先ほど...最初の時に会ったあなたは別人ですか?」

あーそうゆうことから、

ラ「性格やら顔やらが違うからって意味だなー?顔に関しては仮面を外しただけだが。質問に答える形だと同一人物だぞ。まあ仮面をつけている時は性格がああなると思ってくれ。今はこんな風だがなー」

とまあてきとうにベラベラ話し終わった後

ラ「では仕事に行ってくる」

ル「仕事...夜のあれは仕事ではないんですか?」

ラ「あーあれはな趣味みたいなもの」

ル「そうですか、まあ行ってらっしゃいませ」

ラ「“ませ”はいらないなあ」

ル「行ってらっしゃい」

ラ「そうそうそんな感じ、行ってきます」

そう言い僕は魔王城に向かった。

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