第14話 心のない秘書

ラル「あれ?アムさんは?」

ラルからの質問に僕は沈黙を貫いた。

そして僕は少し下を向いていた。

ただ何も答えずずーっと僕は下を見続けてきた。

ラド「えっと...」

ラル「ええっと、なんでもないです」

なんか悲しいな。

そんなことを考えていたら扉が開いた音がした。

ア「魔王様、失礼します」

アムが来た。

なぜかサンドラも来てきた。

なんかご飯も持っている。

ラド「おいサンドラさん、何してるんです?」

サ「わたしまだ昼食食べていないので」

ラド「なぜここで?」

サ「気分ですよ、別に」

まあいいか。

ア「えーと魔王様、いいですか?」

ラド「あーごめんなさい。えーと説明はラル頼んだ」

ラル「え?なんでですか?」

ラド「僕は今落ち込んでいるのだ」

そう言うとサンドラが笑いながらこっちを見ている。

僕はサンドラを睨んだ。

ラル「まあわたしが持ってきた案なので普通に考えたらそうでしたね。えっとですね」

そんでさっきのことをラルとついでにサンドラが聞いていた。




ラル「というわけなんでお願いしにきました」

ア「ええと、魔王様ってどういったお考えなんですか?まあなんて答えるかはなんとなく想像がつきますが」

まあ確かにこの話もし僕が否定したらいらないしなんならこの話は白紙になってるもんな。

ラド「えっと、僕的には賛成なんだが前の軍についてのお金もまだ出していないし、それに今回の金額もなかなかかかるだろうしな」

アムは少し考えていた。

そして

ア「まあ今回の案については大丈夫ですよ。魔王様からいくら貰えるかはわかりませんが、正直そんなかからないと思いますし」

ラド、ラル「「おお!流石」」

僕とラルは同時に答えた。

しかしハルトルが

ハ「今回の遠征に関しては正直かなりの額がかかるうえに回収も低い、いやむしろ廃棄もあるのでさらにかかると思ったんですけどそこらへんはどうするんですか?」

確かに。

そしたらアムが

ア「まあ言ってしまえば奴隷を使うんですよ。今回の場合は建物の取り壊しだけでしょ?それだったら借金ではなく犯罪をした奴隷を使うんですよ。そうすれば全体的に抑えられますし、兵士も少なくてもいいんですよ。さいやく見捨てればいいんですから」

見捨てるって...まあ人権(人?)なんてないようなもんだしな。

ただ、その発想にすぐなるのは怖いって。

ラド「なるほどな〜、よしそれでいこう。ラルあとは頼んだ。あーあとアム、軍と今回の遠征についての金額をサンドラに渡しといてくれ。出したらすぐにお金用意するから」

ア「わかりました」

ふう終わった。

じゃあ戻って寝るか。

そんなことを考えていたらサンドラが

サ「アムさん随分最初は緊張していたように見えましたけど、どうかしたんですか?」

そうだったの?

するとアムが少し言いにくそうに

ア「いえ、初めてお呼び出しされましたけど、ラルさんの案件だったので緊張せずにすぐに思いつきましたよ。」

まあ呼び出しなんてしないもんなー。

こうやって頼まれてしたのも今回が最初だし。

帰ろうとすると

ドンドンドン

?「すいません。入ってもよろしいでしょうか」

ん?誰だ

サ「あーどうぞー」

サンドラが誰か呼んでいたようだ。

?「失礼します。お茶のご用意ができましたので、こちらを」

お茶?

サ「もうちょっと会議かかるかと思っていたのですが、こんな早く終わると思ってなかったので」

なるほど、サンドラなりの気遣いか。

目の前にお茶が置かれていく。

そして僕の目の前にも置かれた。

しかしなぜかその男は僕を睨んだ。

酷くね?

そしてサンドラに置かれる時、

?「こちらサンドラさんはお菓子です」

サ「ありがとう〜」

気遣い...なんだよな?

男は出ていった。

外からうっすら聞こえてくる。

?「なんだよあの男...誰だか知らんけどずりいな」

ずるいってなあ。

僕は気づいた。

確かに目の前にいる女の子は全員美女。

そんななかで男一人いたら確かにそうなるか。

でもこいつら性格悪かったりと中身は残念なやつらばっかりだけどな。

ラド「まあ少しぐらい世間話でもしてくか」

ハ「まあどうせなら」

ハルトルがそう言った。

するとラルが

ラル「あ、そういえば、魔王様って普段どこにいるんですか?」

ラド「普段?別に自分の部屋にいるけど」

ラル「あれ、そうなんですか?でも前扉をノックしても反応なかったのですが」

前...多分寝てたな。

ラド「まあたまたまだろ」

ラル「そうですか」

ラド「そういえばお前たちの仕事してることって僕は全然知らないなあ」

ア「まあ基本サンドラさんが真ん中に入って色々してますもんね」

ラド「そっかー今度見に行こうかな」

そう言うと3人はなぜか嫌がった顔をした。

ラル「いや、その別に来ても面白くないですし」

ハ「ええ、魔王様の仕事にも影響出ますし」

ア「そうですよ。どうせ来てもわかりませんよ」

なんでこんな息が合うんだ、こいつら。

サ「そうですよー。そもそも行ったら不審者扱いされて業務が停止しますよ」

サンドラが余計なことを言ってくる。

こいつはなんでこんなことばかり言うんだ。

とりあえず

ラド「そんなものかー。じゃあ行かなくていっか」

いつか行くか。

さてお茶も飲みきったし、戻るか。

ラル「あーでもたまには飲みにとかいきましょうね」

ラド「...明日仕事がなければな」

ラル、ハ、ア「「「...」」」

僕に休みなんてない。

まじブラックすぎるわ。

たまに残業とかもあるし。

僕が立つとサンドラも立って

サ「戻りましょうか」

そんなわけで僕はサンドラとここを出た。

サ「今日は七時に届く仕事があります。今日中にお願いしたいので、残業して頑張ってください。あっわたしは帰ってますのでいつも通りでお願いしますね」

ラド「わかった」

こいつに心なんてない。

そうしてサンドラと別れたあと、僕は部屋に戻った。

いやー奴隷を使うとは。確かに安いしいい考えだよな。

奴隷...

奴隷か

なんでもしてくれるよな。

家の家事とかしてくれるよな。

奴隷を買うか。

そんなことを決めつつ、僕は寝た。

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