第15話 押し付ける者、押し付けられる者
ラ「今日か」
今日か奴隷商人の来る日だ。
奴隷を買うのはオークション形式みたいらしい。
そこで決まったあと従業員形式で雇う形らしい。
そこで色々契約をするらしいけど、奴隷だから購入者は好条件で取れる。
美女は最初から高いし、人気間あるから高い。
まあ、うん、そうだよね。
ここには借金をした奴隷しかいない。
犯罪した奴隷は安いからまとめ買いが基本らしい。
うーん、条件はどうしよう。
多少若くて家事ができて、家事能力はわからないか、あー親の借金の肩代わりしたやつとかにするか。
肩代わりは可哀想だしな。
そしてあれやこれやと。
よし、こんなもんか。
ここから条件を絞る
…
すげーよ、一人しか条件に当てはまってないとは。
そもそも肩代わりしてるやつが二人しかいないとは。
その片方はおじさんだし。
流石におじさんと二人、しかもおじさんが家事というのも周りからしてみれば変だしなあ
まあその人はその時の様子でみるか。
と言うことで僕の本命はもう一人の女性。
老人が5番で女性は…最後か。
そういや美女とも書かれていたな。
まあどうでもいいや。
とりあえず一番人気っぽいから金だけはめちゃくちゃ持ってくか。
次回の人を待つのもいいけど、次がいつかわからないし、若いなら
うちの奥さんです。
みたいな感じで周りの人にいえば怪しまれんもんな。
流石にあの家に奴隷がいるってのも変だし。
我ながら完璧じゃないか!
そんなことを思いながら仕事をしていた。
すると
サ「ラドさん、いいでしょうか」
サンドラがやってきた。
ラ「はいはい、どうぞ〜」
この時間にサンドラがやってくるのは良い記憶がないな。
ラ「実はですね、今日もまた納期が遅れそうな仕事があるので、残業を…」
サ「待てー!」
なんで今日なんだよ、と思ったけどよくあることだった。
ラ「ちょっと待て、今日ははやく帰りたいんだ。だから前々から予定をちゃんと聞いとっただろう」
サ「はい、なので翌日にしておきましたよ」
サンドラからそう言われた。
なんだよかった。
あれでもなんで今わざわざ言うんだ。
サ「いやー延期にするのはとても大変でしたよ。もう疲れたなー。あー、でもわたしはまだ仕事が残っているんだわ。どこかにわたしの仕事をしてくれる人いないからしら」
サンドラは疲れたように言う。
なるほどな。
ラ「それならば部下に…」
と僕が言うと、
サ「でも今日の仕事はとても重要な仕事だから、わたし以上の人しかやれないの」
…ぐぬぬ。
だめだ、今ここでなんか言うのは悪手だ。
ラ「わかった。僕がやろうじゃないか」
サ「まあ、お優しいのですね」
なにが“優しい”だよ、ただの誘導じゃねえか。
ラ「で、なにすればいいの?」
サ「今日は6大臣から今月まとめられた書類を受け取って……………..」
ふーむ、すっごい面倒。
まあ前世でも学校で似たようなことしたし、なんとかなるだろう。
サ「あっ、法務と外務はいませんので、他の4大臣だけで結構ですよ」
ラ「わかった」
まあついでに視察もできるしそう思えばいいな。
そういや
ラ「サンドラ、前に頼んだ軍の視察どうだった?」
サ「...」
サンドラは軽く笑っていた。
こいつ忘れていたな。
サ「まあついでにできるしいいじゃないですか」
ラ「はいはい」
サ「そういえば今日予定があるだなんて、珍しいですね。もしかして奴隷でも見るんですか?」
ラ「な!」
なんで奴隷ってわかったんだこいつ。
ラ「なわけねえだろ」
サ「まあラドさんに奴隷なんて入りませんもんね。いやー確か今日来るとか言われていたのでそれかと」
そっか珍しいもんだからそうなるか。
とりあえず話逸らさんとな。
ラ「そういうあんたはこれからどこに行くんだ」
サンドラはなぜか洒落た格好でいる。
すると
サ「実はランチ限定のいちごのパンケーキが明日までなんですよ。だから今日は仕事もうほぼないし行こうと思いましてね」
なんかたるんでいる顔をしているサンドラ。
こいつは人に面倒ごと押し付けて、パンケーキか。
たくっ。
サ「では〜」
ただただ落ち込むラドであった
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