第8話 少女と仮面男

ずっと泣いてるじゃん。

いい助手になると思って誘ってみたけどなんだか申し訳ないことをしたようなしないような。

どうせいつかわかることだからさっさとわかったほうが良いとは思ったけどね。

そんな家族と仲が良かったのかな?

それだったら親は愛ない生活を送らせた方が良い気もするけど。

いやむしろこうなることがわかっていたからの愛なのか?

まあ結局子供よりも地位を手に入れるクズ親ではあるけどな。

てか目の前の子どーしよ。

美形な顔が涙で完全に崩れているし、なんか話しかけにくいし。

まあ裏切られるのはきついのかな?

おっと流石に泣き声で人が来ちゃったよ。

僕は魔力で氷の剣を造り、振った。

魔力があるだけで斬撃も楽々とはね。

僕が氷を選んでいる理由はなんとなく綺麗だから。

それだけ。

それに血をあんまり見たくないから、斬撃に触れたらそこを凍らせるようにすれば血が吹き飛ばさないしいいね。

しかし全員弱いな。

裏の世界の住人ってもっと強いイメージがあったんだけど。

とにかく

シ「いい加減泣くのをやめろ。それで未来が変わることはない。君自身が動かなければ何も変わらない」

そう言うと少女は泣くのをやめた。

少女「...まだあなたの言っていることが絶対ではない。もしかしたら、この情報が偽りもある」

少女の目はもう随分と暗くなっている。

まあ暗くなるのも無理はないのか。

少女「ねえ、わたしを助けて。あなたの話が本当なら一緒に世界を変える。その話本当なんでしょ?じゃあこの話乗ってくれるよね?」

シ「え?ああ構わないけど、随分とキッパリ決めるんだな」

少女「いつまでも考えててもしょうがないからね」

切り替えのすごいこと。

まあでもこれでシュテルクストの仲間が手に入ったぜ!

シ「とりあえずここを出るとしよう」

あ、忘れてた。

シ「ここのやつ助けるか?」

少女「わたしの前の人は全員もう精神がおかしくなっていたし...おそらく人体にも影響が出やすい薬が使われていると思うからもう無理よ」

少女は少し怯えながら言った。

シ「すまない...思い出しくないことを思い出させてしまって」

少女「とりあえず行きましょうか」

僕と少女は走った。

シ「とりあえずついてこい、出口はわかっている」

タッタッタッタッタッタッ

タッタッタッタッタッタッ

タッタッタッタッタッタッ

シ「へー結構戦えるんだね」

少女「もちろん、まああなたほどじゃないけど」

僕らは順調に出口へ向かいとうとう着いた。

そして僕は笑った。

やっとボスが出てきた。

この出口の外に強いやつの気配がする。

少女「多分、外にもうじゃうじゃ敵がいるし頑張って突っ走るしか」

シ「いや待て、ここで待ってろ」

少女「え?」

シ「少しここらで遊ばしてくれ」

僕は一人前へ向かった。

そして

シ「いきなり火の玉ストレートとは、わたしの話を聞く気はないのか?」

?「...ここに侵入できてる時点で厄介なやつだとは思ったがな。まさか真正面から受けるとは」

シ「真正面から受けても無傷だ。戦っても無駄だぞ?」

?「なにを、剣で受け止めただけではないか」

シ「流石に見えていたか」

?「おい、おまえら侵入者を殺し、あの女を捕縛しろ!」

無数の人らが魔法を打ってきた。

シ「遅いな、時間がかかりすぎだぞ?」

僕は風で周りを暴風にした。

なんか強そうなやつ以外は全員飛んでいった。

シ「落下死を防げるやつは一体何人残るんだが」

?「てめえ、人を吹き飛ばすほどの魔力を使って勝てると思ってるのか?」

シ「あんなちっぽけな魔力でそんなことを言うとは力量がどんどん透けてしまうな」

?「なんだと、舐めるな!」

そう言ったあと男は少し剣に魔力を貯めた。

?「剣の技量はこちらが上だ!」

斬撃に見せた、ただの風魔法。

僕はすぐに斬撃を放った。

?「なに!?」

シ「ただの風魔法で技量だと?それに斬撃もどきで図に乗るとは哀れなやつだな」

僕は剣を思いっきり振り男の首を落とそうとした。

しかし

?「貴様は一体誰なんだ?」

ニヤリと僕は笑い

シ「私の名はシュテルクスト、貴様らに断罪を下すもの」

?「そうかシュテルクストか、またいつか会おうか」

そう言って男はネックレスを引っ張ろうとしていた。

多分逃げるんだろうか。

正直間に合うけど、売名のためにも殺さないでおこう。

?「さらばだ!」

シ「...またいつか出会うだろう」

おいおい、まさかの売名も出来ちまうとはな。

少女「すごいわね」

少女が出てきた。

シ「あんなのすごくない。君にもすぐに教えてやるさ」

僕は月を見ながら言った。

シ「では、ロード家に向かおうか」

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