第5話 部下たち

あの近くにいた酔っ払いが警備兵のところに駆け寄っていたから、多分すぐにでも噂になるだろう。

シ「ふふふ、表での噂はこれで完璧なはずだ。」

僕はすぐに東に向かった。

あとちょっとで気配が追えなくなるところだった。

まあ遊びすぎはよくないな。

はんせー、はんせー。

そんなことを考えていたら、先ほどの男が見えた。

まあもちろん殺したら、アジトがわからなくなるので様子見だがな。

その男についていくとなんかキャンプしているグループを見つけた。

?「おっ、ちゃんと持ってこれたようだな。これで彼の方に渡せるな」

彼の方?なんだか面白そうな話だな。

ふーむ彼の方に会うためにもこいつは殺せなくなったぞ。

?「とりあえずこいつにはちゃんと飯をやって厳重に保管しておけ。大事な生態らしいしな、おいお前と...あとお前こいつの見張りと世話しとけ」

「「りょーかい」」

そう言って、男二人は女の子を連れてどっかに行った。

とりあえず少し様子見かなあ。

いつ取り引きが始まるのか確認しておかないと。

そう思っていたら、

?「ボスに例のものが手に入ったので、早速準備をお願いしますと伝えておいてくれ。よーしこれであれがもらえるぞ」

あれ?なんだろか。

娘の命と交換にアーティファクト寄越せ的な?

なんだか割とつまらん集団だったな。でももしアーティファクトなら興味あるし、ボスにも会ってみたいな。

なんでこんな張り込みばっかりしてんだ、私は。

まあ、裏に何も通じてないからそうなんだけどさ〜。

??「いつ会われましょうか」

?「明日にでもと頼む」

??「わかりました、それでは」

明日か、まあ夜かな?一旦帰ろう。

僕はそのまま後にした。




とりあえず寝て今は仕事中だ。

今日は裏組織のもっとすごいやつを拝見できるから楽しみだぜー。

サ「ラドさん、よろしいでしょうか?」

おっと起きててよかった。

ラ「どうぞー」

サ「実は軍部大臣と財務大臣が言い争っていまして..,」

またあいつらかよ。

魔王国には六人の大臣がいて、産業、環境、財務、軍部、法務、外務の六人が居て、それを六長官と呼んでいる。

まあどいつもこいつも仕事はできるんだが、性格が違うからなあ。

しょうがない、止めに行かないと。

ラ「おいお前ら、またしょうもないことで言い争っているんだろ」

すると男と女がこっちを向いて、

?「何がしょうもないんだ!」

??「何がしょうもないの!」

まったく、息ぴったりだな。

ラ「どうせお金のことに関してでいい争いをしているのだろう」

??「そうですよ、こいつがまた経費で武器をとんでもない量を買ってきてはすぐに使ってを繰り返すんですよ」

そう言ったのは財務大臣のアム・クローチャー。

耳と尻尾が特徴的な鼠人。

なかなかに美人。

?「うるさいなあ、ちゃんと使えなくちゃいざ実戦の時に困るだろうが」

そう言ったのは軍部大臣のガス・ラクーラー。

ツノが特徴的な牛人だ。

見た目は脳筋、中身はあっつい男。

アム「だからと言ってどんどん使うと予算もどんどんと消えていくんです!」

ガス「なんだとー、そこを頑張っていくのが財務大臣としての仕事でしょうが」

ア「だからこうして無駄なものを省こうと今言っているんですよ」

ア「ああ?」

ガ「ああん?」

2人が今にも喧嘩を始めようとしている。

ラ「おいこら待てや」

2人が我に返る。

ラ「まあまあ、アム。軍部はどうしても実演をするから金がかかってしまうじゃないか」

ア「ですけどね、この人のお金の使い方は尋常じゃないんですよ」

ラ「どれどれ帳簿を見せてみー」

僕は帳簿を見た。

ラ「おいおい、医薬品の消費おかしくないか?」

ガ「当たり前じゃないですか!戦場では本物で殺りあうのですよ。怪我なんてザラですから、それぐらいの被害がありますよ。実践練習こそが一番ですよ!」

ラ「ちょっとまて、この手当てってなんだ?」

ガ「あーそれはちょっと怪我が酷すぎて参加できない人に対しての給料...」

ラ「それじゃあ練習で死人が出てしまうかもしれないだろうが」

僕は少し怒るように言った。

ラ「練習も確かに大事だし実践も特にだ、しかし死人が

出るようならお前はちゃんと責任も取れるんだろうなあ?」

ガスは小さくなる。

ラ「もちろん、ちゃんと安全面が保証されているなら口を出さないし、たまになら実践や自分の命がかかるという教訓にもなるから止めない。だがお前聞いた感じずーっとその訓練しているとかな?」

ガ「ですが」

ラ「ああ?なんか文句あんのかてめえ?」

ガ「いえ、なんでも」

まったく。

まあでもこいつは熱心だしな。

僕はアムの方を向いて

ラ「アム、少しだけ待ってくれ。ガスもガスなりに頑張っているらしいしな。わたしがお金については工面する」

そして今度はガスの方を向いて、

ラ「お前はとにかく安全面に気をつけて訓練などをしろ。魔力の伝わり方が弱かったり違くてもそうしろ」

ア、ガ「「はい、わかりました」」

とりあえず明日は予定を変えるかあ。

僕はサンドラに

ラ「軍のやつに関して、数日調査お願いねー」

と言い、自室に戻った。

とりあえず寝よ寝よ。

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