第4話 謎の奴ら

魔王に就任してから、一年がたった。

最初の方は慣れなかった仕事も今では結構慣れてきた。

サンドラ「ラドさん、就任一周年おめでとうございます。特に何かあるわけではないですけど、頑張ってください」

秘書サンドラさんが言った。

ちなみに僕としては魔王様と呼ばれるよりも名前で呼ばれた方がなんとなくいいなと思いそう呼んでる。

にしてもやっぱり辛辣だな。

ラ「はいはい、心に響かないおめでとうをどうもありがとう」

サ「では、こちらが本日の書類です。頑張ってください」

そう言って机の上にドン!っと大量の紙を置く。

電子化して欲しいね。

まあそんな技術この世界にはないけど。

サ「じゃあ隣の部屋で仕事しているので、何かあれば呼んでね」

そう言って僕は魔王室の隣の狭い部屋に来た。

なんでここで仕事をするのかと言うと、表向きとしては狭い部屋でやる方が好き。

まあ実際問題別に間違ってはないからね。

裏向きとしては睡眠するため。

別にサボるわけじゃないし、ちゃんと自分の仕事は全部やる。

寝る理由は夜にシュテルクストとして動くために、昼に寝ておきたいからだ。

まあ最初のころは仕事に慣れなくて寝る時間が取れなかったから、活動できなかったけど。

でも慣れてしまえば正直2,3時間程度で終わる。

前世でも時間がないから高速での脳の処理とかよくやってたからねえ。

そして仕事を終わらせたら寝る。

別に魔王室で寝れればいいのだが、魔王室には誰かがずっといるわけじゃないけど、ちょくちょく人が来るからねえ。

流石に仕事中に寝るのは他の人から見てもあんまり良い印象持たないしね。

そんなわけでちゃちゃって仕事を終わらせてから寝た。




ふわぁぁぁあ、よく寝た。

体内時計では今4時。

魔王室に戻ると4時だった。

よーし。さてさてそれじゃあ今日からシュテルクストとして動くか。

でもどこに行こうかな、なんか危なそうなところに行きたいな。

そんなことをボーと考えていたら、

サ「失礼します」

サンドラさんが来た。

ラ「終わり?」

サ「はい、書類だけお渡しお願いします」

ラ「へいよー」

そしてサンドラさんは、書類持って

サ「お疲れ様です〜」

と言って去った。

あの人厳格そうに見えて結構緩いよな〜。

とりあえず仕事終わったー。

僕はそこから早着替えで魔王の服装を脱ぎ、全身黒の服装を着て、ベネチアンマスク(目だけを隠すマスク)を付けて、バケットハットを被り、左手の人差し指に指輪をつけた。

さてシュテルクストとして初めて動く大事な日、一番最初は何をしようか。

とりあえずこういうのは腹路地に行こう。

なんかあるだろ。

すると明らかに怪しさそうな男が二人いた。

聞き耳を立てると

?「おい例の作戦はいつ実行だ」

??「三日後だな」

作戦?なんから面白そうだな

?「ああ、お前はロード家の近くで待機しとけ」

??「わかっている」

?「攫えたらそのままその娘を連れていけ、万が一が起きた場合もあの人に伝えてくれ」

??「まあそうならんことを祈る」

ロード家か、確か侯爵家だったよなあ。

とりあえず“あの人”に会ってみたいねえ。

?「では、成功を祈ろう」

??「だな」

そうして怪しい二人はどっかいった。

三日後にロード家に行くか。

ロード家について少し調べてみるか。




そして三日後になった。

ロード家は表で調べた情報によると、普通の貴族で特に国会にも強く言わない控えめな貴族だ。

しかし裏で調べた情報によると、色々と怪しい情報が出て来た。

出て来た情報が、殺しの隠蔽、密売、そして何故かアーティファクトに関しての情報を、持っていた。

僕は攫う理由ってもしかしたらロード家が悪いのかなって思った。

それに僕自身も正義の味方ってわけじゃないもんねー。

なんなら人攫いされた方がおもろそ。

そんなことを思っていると。

シュテルクスト「おっあのおっさん茂みにいるねえ」

そんでボケーとしていたら、二人組がリュックを渡していた。

?「それでは頼んだぞ」

???「ああ、お前らも急いで脱出しろよ」

あの二人組は、西に。

男は東に行った。

あの二人はちょうど人目のつかんところに行ってるし、ちょうどいい。

最初の犠...相手になってもらおう。

?「今回も余裕だったな」

??「まぁ待て待て、一応まだ仕事が終わっていないんだから」

?「おっと、そうだったな」

そんなことを話している2人の前に謎の男が現れた。

?「誰だ?てめえ」

シ「私の名か?答えてもいいが、あの世に広めたところで意味がない。

??「あの世ってどういう意味だ?」

シ「今から死ぬ君たちに何を言えばいえばいいんだい?」

??「なんだと、てめえ」

すると、片方の男が片手剣を持ち、黒服姿の男に剣を振った。

常人ならば、躱さずに少なくとも傷は入るだろう。

しかし

?「な!」

シ「君のその剣の間合い管理、とても素晴らしい。そして」

もう1人の男が剣を振った。

しかし

シ「素晴らしいコンビネーションだ。君たちほどの実力者なら、こんなことせずとも食っていけただろうに」

??「くっ」

すると、2人の男は、目を合わせるや否や左右に分かれてしまった。

シ「相手の強さをしっかり把握できるところ、また素晴らしい。本当に残念だ」

右のほうに行った男はすぐに黒服姿の男の持っていた剣が背中に刺さっていた。

そして、左のほうに行った男に、すぐ様を追いかける。

左に行った男も同様、黒服姿の男にすぐに追いつかれてしまった。

?「てめえは一体何者なんだ、警備兵にしては強すぎる」

シ「悪いが少し時間がないんだ。そろそろ追いかけないと、あの男の場所も見失ってしまう」

?「!。充分に時間はあったはずだ。もう正確の位置はわからねぇだろ」

黒服姿の男は少し下を向いた。

シ「そうか。君にはわからないのか」

黒服姿の男はどっかから出てきた剣を手に持ち、そしてなぜか大声で。

シ「私の名はシュテルクスト。我が剣により断罪する」

あっという間に男は斬られた。

そしてその男の上にもう一つ死体が乗っかった。

シュテルクストは東に向かって走っていった。

その2つの死体の近くにいた酔っ払いが目を覚ましていた。

酔っ払いすぐに警備兵の所に向かった。

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