第3話 夢のためなら
あれから20年、僕は25歳になっていた。
僕は実力をつけて、武術、時々魔法を高めていった。
でもまだだ。
僕は知識や武術、芸術など、あらゆる分野において終わりなどないと思っている。
だからこそ鍛え続ける。
僕自身もどこまで成長できるのかという好奇心もあったりする。
ただしこの実力はもちろん他の人には見せてはいない。
もし見せてしまったら、シュテルクストとして名を広げる時にバレてしまう可能性があるからだ。
だから誰もいない個室でただ黙々と着実に実力を伸ばしていく。
そこは裏の顔として誰にも見せてはいけない。
意外にもこんな時間が好きだったりする。
一方表は表で魔界についての政治についても知ってきた。
そもそもこの世界自体が少し複雑で人間以外が一応は魔族扱いらしい。
そしてこの王国ともう一つ魔族の国があり、ここは人間寄りの人外、魔人が主に住んでいる国。
目や耳、羽があったりツノだけがあるのが魔人らしい。
そしてこの国の名前はシャルロット王国。
まあ僕の氏名だね。
そして肉が腐敗しているゾンビや骨しかないスケルトンなどの明らかな人外はもう一つの国、カタエル王国。
トップはカゾバルト族のカバみたいな見た目らしい。
やっぱり異世界だなあとしみじみと感じてる。
人間界とは特に争いは起きてはいないが、時々戦争をしてきたりする人間の国もいたりするのが厄介ところ。
ちなみに魔界での王は僕の父親とカバのおっさんだけだが、人間国はポツポツと王がいて、それぞれが政治をしている。
まあとにかくもう政治についても理解してきたし、教え
ることは特にないと昨日言われた。
だからこそ今日僕は空いた時間をシュテルクストとして全世界に名を轟かせにいく。
誰もが注目する謎の男として、暗躍していき、この世界を変えていくのだ!
と思ったら父親から話が来た。
ラド「なんでしょうか、父様」
父「少し相談が、いや命令があるのだ」
絶対面倒くさい。間違いなくわかる。
父「お前に次期国王になってもらおう」
ラ「却下します」
父「ちょ、命令だよ命令。拒否権ないから」
ラ「では新国王になりました。ではお父様に命令します。新たなこの国の国王になれ」
父「ってそれじゃあ意味ないじゃん」
面倒な父親だ。
父「そんな目で見るんじゃない。まあまあ色々と理由があるのだ」
ラ「理由ですか、まあ一応聞きますけど」
父さんが言うにはこうだ。
父も25歳で魔王の座を引き継いだ。
しかし父はすぐに人を信用したり、財に関してのセンスは皆無だったために、魔王として色々と苦労をしたらしい。
財政とかは他のひとにやらせればいいじゃん、と思うかもしれないが最終的には魔王のサインなどが必要がちゃんと確認などをしなくてはいけないらしい。
父は政治に慣れることなく、この年まで迎えてしまった。
しかし自分の息子は政治に関しての知識をすぐに学べた。
少なくとも自分よりは政治センスはあるだろう。
じゃあちゃっちゃと降りるか。
という経緯らしい。
こっちもやりたいことあるんですけど。
父「そんなわけでお前には苦労をかけるかもしれない。でもこれも試練だと思って頑張ってくれたまえ。
まあお前ならすぐに慣れるだろ」
ラ「いやいや、息子になすりつけないでくださいよ。僕だってやりたいことあるんですよ」
父「やりたいこと?なんだなんだ、お前趣味なんかあったのか?」
ラ「ええ、そうです。あるのでまだ頑張ってください。なんとかなりますから」
父「まあ、嫌だと言うとは思ったわ。何も対策しないわけがなかろう」
無駄な時だけ脳を発揮させやがって。
父「お前がそういうと思って、国会にはこう進言した。
我が息子を新たな王として任命する。と」
ラ「勝手にそんなことしないでください!」
父「まあまあ任命されなければいい話だから」
...なんか怪しいな
父「とりあえず明日その結果が出るから」
明日ってはえーな。
待てよ、そういえば父さん側の連中はこいつはダメだめたまから息子に賭けるかになるし逆の連中も父さんの息子とかどうせ変わらんだろって意味で僕に票が集まるんじゃ...
はめられたな。
「「「「新魔王にばんざーい!」」」」
嫌な予感だけは的中する。
はあ...急に新国王にさせてくるとか頭おかしいんじゃないか?
もうちょいと時間くれや。
とりあえず魔王専用の部屋に来た。
父「お疲れ様〜」
優雅に茶を飲んでいる父にラリアットをしたいが、そんな気力もなかった。
ラ「よくもまあやってくれましたね」
父「まあまあ、とりあえずお前の秘書になる人だぞ。挨拶はしとけ」
なんか腹立つな。
?「初めてまして、前魔王様の秘書をしておりました。サンドラ・ルーカンと申します。ラド様改めて新魔王様ご就任おめでとうございます」
ラ「初めてまして、サンドラさん。こんな変な父が今までご迷惑をおかけしました。今後も迷惑ををかけることになってしまうかもしれません。その時はよろしくお願いします」
サンドラさんすっごい綺麗だな、エルフかな?
父さんの愛人って言われてそう...いやそれでも無理なくらいの美人さんだ。
もしかして父さんが仕事できなかった理由これじゃね?
父「とりあえず引き継ぎするぞぉ」
ラ「はいはい」
そんなこんなで僕は父さんの仕事を引き継いで、あっという間に数日がたった。
父「では、よろしく頼んだぞ」
ラ「任せて、ちなみに父さんはこれからどうするの?」
まるで“待ってました”かのように反応すると父さんは
父「芸術の街、アートってところに行く。昔から父さんはな、音楽特にバイオーリンに関してはめちゃくちゃすごかったんだぞ。あれだけは父さんもめちゃくちゃ頑張ったからなあ。それでさ母さんと会った理由はな
……
……
……
そんなわけで母さんとアートに行く。まあ困ったら相談するんだぞ。まあ父さんよりもお前の方がしっかりしてるか!はっはっは」
ラ「ああ、そうだねー(棒)」
なげえって、でも文句言うともっと長くなるからしょうがない。それにこれが最後だしどうせならな、
父「まあ、頑張れよ、魔王さん」
ラ「はいよ」
そうして僕ら別れた。
とりあえず表の顔 魔王として今は頑張りますか
いろんな仕事がここに回ってきて全部を確認する。
管理者のような仕事が魔王の主な仕事だ。
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