第6話 知事参上! そして、表彰式!

 しばらく式の会場となる応接室にて待機していると、平井知事が姿を現した。


 相も変わらず闊達な御方で、元気な笑顔と共に現れた。


 前回お会いしたのは、去年の夏だ。


 境港で“白ねぎを使ったクラフトビール”の御披露目式があり、そこに来賓として出席した時の事だ。


 その際、自分は料理担当の責任者として同席し、自分が作った料理を知事に振る舞った。


 ちなみにその時、召し上がっていただいたメニューは、


『白ねぎの甘辛煮』


『白ねぎの天ぷら』


『白ねぎと桜海老のチーズ春巻き』


『白ねぎのマリアージュ』


『白ねぎの“eco”のみ焼き』


『白ねぎの米麺スープ仕立て』


『白ねぎのチキンカレー』


 うん、結構頑張った。


 そうした活動の下積みもあって、今回の受賞と相成った。


 食育に宣伝活動、白ねぎの普及、啓蒙には労を惜しみませんとも。


 さて、目の前に来られた平井知事、超絶有能な御仁です。日本で47人しかいない“知事”という存在ですが、その中でもトップクラスに明晰な方だと、自分は思っています。


 開成 → 東大法学部というエリート直球コースを歩まれ、自治省(今の総務省)に入省。


 各地に出向した後、鳥取県にも赴任。40歳と言う若さで当時最年少の副知事となり、次いで知事選挙で見事に当選を果たすという経歴の持ち主。


 46歳で初当選し、現在は5期目。さすがにちょっと白髪が見えるようになって来たかなと思いつつも、いつも精力的に活躍されている姿は鳥取県の誇りです。


 また、去年まで全国知事会の会長を務められており、コロナ禍での危機的状況にあって活躍されている姿を、記憶されている方もおられるかもしれませんね。 


 そして、初当選後、知事になって最初にやった仕事は『鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例』を叩き潰してくれたことです。


 あの悪名名高き『人権擁護法案』の鳥取バージョンとでも思ってください。


 前知事である片山氏の置き土産で、議会で成立寸前まで進んでいたが、これを速攻で白紙撤回し、見事に潰してくれました。


 これだけでも拍手喝采ものである。


 頭脳は極めて明晰で、県職員からは抜群の記憶力があると定評だ。


 実際、今回の式典においても、出席者の名前や所属を完璧にそらんじ、祝辞もカンペなしでスラスラ述べるなど、「同じ人間か!?」と思うほどの冴えを見せ付けられました。


 同時にお茶目な一面があり、ダジャレが大好きだという事だ。


 皆さんも知っているであろうあの名(迷)言。



「スタバはないけど、すなばはあります」



 これを発したのは平井知事です。


 都会の華やかさはないが、“鳥取砂丘”という他にはない良さを出しつつ、『すなば珈琲』という地元の名物店まで紹介。これを一文で表した俊逸な表現だと思います


 この『すなば珈琲』は県内各所にありますので、鳥取県にお越しの際は是非立ち寄ってみてください。(また宣伝)


 なお、2015年、平井知事3期目において、ついにスタバが鳥取にも進出したため、この言葉は消えてなくなりました。


 また、平井知事のフルネームは“平井伸治”と言いますが、同姓同名の県議会議員がいたりします。


 県議員の方は自分と同じく大阪から引っ越されてきた方で、同姓同名の県知事に興味を持ち、立候補したのだとか。


 そして、見事に当選。


 この際、自身の同姓同名の県議員が誕生した事に一言。



「平井な珍事が起こった」



 これでみんな大爆笑。こういう言葉がスッと出てくるのが素晴らしい。


 自分もかくありたいと思う次第です。


 皆さん、自分のお住いの知事はいかがでしょうか?


 まあ、よく分からんと思う方が大半でしょうが、我が県の県知事はこれほどまでに距離が近くて気さくな方です。


 伊達に『全国で一番会いやすい知事』と言われてはいません。


 よく見かけるからこそ、親近感がわくものです。


 てなわけで、あなたもしっかり選挙に行きましょう。あなたの一票が明日のあなたを作っていくのですから。


 そして、自分で選んだ知事より表彰されました。


 まあ、選んだのは選考委員の方々ですが、県のトップから直接表彰されるというのは、悪い気分ではありません。


 中々に味わえるものではありませんから。


 まして、自分で選び、尊敬する知事からのてずからの表彰です。


 むしろ、最高ですとも。


 賞状を入れている枠組み、そこから香るヒノキがなんともかぐわしい。


 鳥取に引っ越して7年、農家に転じて6年、料理研究家として活動して5年。


 ようやくここまで来れたかと、感無量でした。


 他の受賞者と並んで、ニッコリ記念撮影。


 自分も含めた全員が満面の笑みでした。


 もちろん、真ん中にいた平井知事もね。


 実に清々しい式でした。

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