第3話 鳥取県の3人の漫画家

 県庁に向かって進む途中、まだ『山陰道』が完成していないため、一般道を走る区間がある。


 琴浦東・大栄東伯だいえいとうはく羽合はわいの15kmの区間だ。


 ちなみに、この羽合はアメリカのハワイと同音読みで、ハワイ郡と姉妹都市提携を結んでいたりする。


 平成の大合併で、羽合町が湯梨浜ゆりはま町に変更になっても、その都市交流は続いています。


 この区間、下の道を進み、残る高速道路工事の進捗具合を見ながら車を走らせると、北栄ほくえい町(旧・大栄町)に差し掛かるところで、デカデカと観光案内の看板が目につく。


 曰く、『青山剛昌ふるさと館 ココ入ル』


 道の駅・大栄に隣接する形で建てられている。


 漫画『名探偵コナン』などの作者としておなじみの青山剛昌先生は、ここの出身なのだ。


 見慣れたコナンや怪盗キッドの絵と共に、実に良く目立つ看板が立っている。


 鳥取県出身の著名人の中でも、特に名の知られた方だ。


 ちなみに、北栄町の特産品は“スイカ”だ。


 『がぶりこ』と呼ばれる黒玉スイカで、種が少なく、糖度が高いのが特徴だ。


 そして、高級品であり、贈答用として用いられる。なにしろ、“最低価格”であっても1玉で5千円前後はする。


 なお、実際に食べたら、今までのスイカは何だったのかと思うレベルで、次元の違うスイカを味わう事が出来る。


 是非、シーズンには県中部の農協に注文してみてください(宣伝)。


 また、我が境港市は、言わずと知れた妖怪漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の作者・水木しげる先生の出身地です。


 こちらも水木しげるロードや記念館などの観光の目玉なっている。


 目玉のおやじだけに!


 なお、水木しげるロードの街灯は、マジで目玉のおやじの形をしています。


 夜に鬼太郎ロードを歩くと、少々不気味である。


 そうした事もあって、県西部の米子空港は『米子鬼太郎空港』に、県東部の鳥取空港は『鳥取砂丘コナン空港』に改名されています。


 そして、鳥取県出身の著名な漫画家としては今一人、谷口ジロー先生を推す。


 原作・久住昌之先生、作画・谷口ジロー先生の『孤独のグルメ』はドラマ化もされたので、特に有名だろう。


 おっさん1人がただひたすら飯を食うだけの話が、なぜにああも面白いのか。あれはじっくり読んでみないと分からない味わいがあります。


 是非読んでみましょう。


 そして、自分が県庁に向かう楽しみの一つ、『孤独のグルメ』のあのシーンを再現するという目論見もあるのだ。


 ああ、楽しみだと、車は進み、再び『山陰道』へと登っていく。

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