World Building 1 魔導学と魔法理論
●始めに
セイアーレス大陸の基本的魔法である魔導学について解説する。
◇魔導学について
●魔導学=Sorcery
魔導学とは、天の魔導を目指す者が学ぶ、この世の理を知るための学問である。その最終目標は、天の魔導の復活であり、いまだ誰もそこには到達していないとされている。
魔導学は学問であり、宗教色は一切排している。
魔導学を魔法として扱う場合、魔導杖(=SorceryDevice)が必要となってくる。これは、術式を記憶するための記憶装置であり、一般的な杖以外にも様々な形状を持っている。
●魔導学の詠唱法:
「我は霊痕をもって契約の証となす(I use the soul mark as a proof of the contract.)!」
>励起式=トランス状態になって魔導杖(=SorceryDevice)とリンクする。
>基本的にはどのような文言でも構わないが、真似されて咄嗟に誤起動をしないために独自性の高いものを求められる。
「[Deployment: GenericAttackAppID(12)]」
>術式仮起動式=前提となる術式|(=アプリケーション=App)を仮起動。
「[Deployment: UniqueAttackApp270331 Ver 15.78]」
>こちらは直接術式を起動する場合の式。6桁の術式ナンバーとバージョンが表記される。
「[Connect: Drasill]」
>精霊接続式=精霊と精神をつなげ術式に火をつける(上記は木霊=ドラシル)。
>木霊=Drasill、火霊=Agnite、土霊=Behimus、金霊=Dragonis、水霊=Sulten、
自然霊=NaturalElemental
>自然霊だけは特殊で、術者側で精霊IDを設定し「NaturalElementalID(X)」
と表記する(XはIDナンバー)。
「[Boot up: SparkII]」
>術式本起動式=魔導を魔導杖に生み出し使用する(上記はスパークⅡ)。
>魔導はこの時点で属性が付与される。そのため、それ以前の状態で属性に関する干渉を行っても無意味である。
以上のように、魔導学による魔法は励起式以外は無詠唱で行われる。さらに励起式自体も無詠唱にすることも可能であり、一見すると何もせず魔法を発動することも出来る。しかし、魔法的視点ではどのように起動しようが、魔導式が周囲に展開するので、そう言う知覚を持っている存在には、魔法展開がばれてしまう事になる。
●霊薬=Elixir
魔導学者向けの機能増幅薬として生まれて発展した薬品。
現在では魔導武器を使用する時にも使われるため、一般にもある程度の金額で販売されている。
安いものは貧乏人でも購入できる程度の量産品である。
●一括処理魔導=BatchSpell
魔導式展開のプロセスが自動化された魔法の事。ただし、適切な精霊がないと処理エラーとなり、起動自体しない。特殊な状況でない限り、とくに処理が早くなったりはしない。
正式な魔導学者は使いたがらない、魔導学初心者用、又は魔導器具付与向けの技術である。
●仮想魔導回路=Element
魔法を扱う才能のない者に近い効果を起動できる能を付与する機器。
魔導武器等に埋め込まれ、霊薬の効果で活性化させて機能させる。
●自動魔導回路=EchoDevice
一般に「魔導模倣機関(=Imitator)」とも呼ばれる機器。
周囲の魔力源素(=mana)を取り込んで、示された物理力へと変換してくれる動力機関である。
◇魔法理論について
●魔力源素(=mana)理論:
魔導学を魔法として扱う際の根源となる要素。
それを機能させるには特別な場合を除いて精神力が必要であり、当然たくさん魔法を扱うと精神疲労を引き起こしてしまう。
生命や物質にはそれを構成する存在力があり、この存在力の大きさによってその生命・物質の大きさや強さが決まるわけだが、そのエネルギーは日々生成されており、その余剰分が大気中に漏れてマナと呼ばれる要素へと変化する。魔力源素とはいわば世界を構成する存在力の余剰分であり、これを再構成することによって無から有を生み出すことが可能になるのです(無論、本当の無からは有は生まれませんが…)。
魔導学では魔力源素の機能を解明することで、無人で魔導回路を機能させる仕組みも生み出している。
●五星理論:
いわゆる五大元素理論。それぞれの元素を空の星に当てはめて解釈した魔導学の基礎理論の一つである。
『木星元霊(=Drasill)』『火星元霊(=Agnite)』『地星元霊(=Behimus)』『金星元霊(=Dragonis)』『水星元霊(=Sulten)』という五つの要素を基盤にして世界を解釈する考え方と、それを基礎として生み出された魔法生命『元素精霊(=ElementalSpirit)』を扱うための理論である。
その理論の内容は、簡単なものでは「五星剋」「五星生」「五星辱」などがある。
「五星剋」:
元素精霊には属性的な優劣が存在する。
同じ魔力の魔法同士をぶつけた場合、より優れた元素精霊を仲介にした魔法が、劣った元素精霊を仲介にした魔法を完全に消し去ることが出来る。これを『五星剋』と呼ぶ。
木星元霊は地星元霊を剋す。地星元霊は水星元霊を剋す。水星元霊は火星元霊を剋す。火星元霊は金星元霊を剋す。金星元霊は木星元霊を剋す。
以上が五星剋であり、魔法にはこの属性効果を利用した、短詠唱の対抗魔法が存在する。
「五星生」:
元素精霊は特定の属性から他の属性を生み出すことが出来る。
特定の元素精霊のエネルギーを再変換して自身の魔法に役立てることが出来る。これを『五星生』と呼ぶ。
木星元霊は火星元霊を生み出す。火星元霊は地星元霊を生み出す。地星元霊は金星元霊を生み出す。金星元霊は水星元霊を生み出す。水星元霊は木星元霊を生み出す。
以上が五星生であり、魔法にはこの属性効果を利用した、短詠唱の変換魔法が存在する。
さらに言うと、生成元の属性は生み出される属性にエネルギーを奪われて衰えるため、これら変換魔法を防御に利用する者もいる。
「五星辱」:
元素精霊の五星剋の特殊な形である『五星辱』という現象もある。
これは本来は剋される方の属性の魔力が強すぎて、五星剋に逆転が起こる現象を言う。
木星元霊が強すぎて金星元霊を剋す。金星元霊が強すぎて火星元霊を剋す。火星元霊が強すぎて水星元霊を剋す。水星元霊が強すぎて地星元霊を剋す。地星元霊が強すぎて木星元霊を剋す。
以上が五星辱ですが、こうなる可能性は魔力要素に大幅な差|(少なくとも二倍以上)がないと起きないので、だいたいの魔法使いは気にしないのが普通。
「元素精霊の生成と変換」:
元素精霊を生み出す技術は魔導学者にしかわからない難解な技術であり、普通は一般人ではそれを知ることほぼないといっていい。
一般に魔導学者は3日間(1日8時間換算)をかけて元素精霊を生み出す。そして、そうした元素精霊は3時間をかけることによって、五星生の理論に基づいて別属性の精霊に変換できる。無論それらの儀式には一定の設備と触媒などが必要になってくる。
◇その他
●精霊石(=Cocoon):
魔導杖には各種精霊を埋め込んだ精霊固定品である『精霊石』を差し込むスロットが存在している。
魔導杖はそのスロットに差し込まれた各種精霊石から、精霊接続式によって選択された精霊を自動で選ぶ機能を持つ(このためいちいち意識して切り替える必要がない)。
精霊石は半永久的な品故なのか比較的高価であり、一人で扱えるのも元素精霊1~2個、自然精霊2~3個くらいが限度になる。
●旧式魔導機関(=MagiaMachina):
主に未開地の亜人が扱う魔導杖の機能制限版。
制作素材もよくある天然のものが利用でき、安価に生産できる上に扱いが容易ではあるが、機能が著しく制限されている。
その最たる例が、この機器一つに固定しておける精霊は一種類という事であり、複数の精霊を扱いたいなら複数の機器を所持する必要があるのである。
さらに、現在扱っている機器から別の機器に切り替える際に、一息の間の切り替え時間が必要になってしまう。
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